企業や店舗にNTTのギガらくWi-Fiを導入するか悩んでいる人も多いでしょう。
職員やお客さんが利用しやすい光回線環境を作ることができますが、勧誘や解約金など気になることもたくさん。
本記事では、NTTのギガらくWi-Fiの詳細と、契約後の違約金や解約方法について解説していきます。
NTTのギガらくWi-Fiとは?
「ギガらくWi-Fi」とは、NTT東日本/西日本が提供するWiFiサービス。
NTTの法人向けサイトでは次のように説明されています。
オフィスや店舗で役立つ機能に加え、プロによる導入から運用までのサポートが付いた、安心・カンタン・すぐに使えるWi-Fiサービスです。(引用:NTT東日本法人向け公式HP)
ギガらくWi-Fiについて、詳しくみていきましょう。
NTTのギガらくWi-Fiはオフィス・店舗など法人向けのサービス
NTTのギガらくWi-Fiは、家庭向けではなく、企業やお店のWifiとして提供されているサービスです。
情報の管理やセキュリティといったことを考えると、オフィスや店舗では家庭用と同じ環境での通信はあまり向いていません。
また、利用人数が多いと回線が混雑し、通信速度が落ちるといったことも考えられます。
仕事で使うにしても、お客として店舗のWifiを利用するにしても、速度の遅いWifiはあまり使いたくありませんよね。
そこで法人向けのサービスとしてNTTから提供されているのが、ギガらくWi-Fiです。
NTT東日本や西日本ではなく代理店が電話勧誘をしてくるケースが多いので注意が必要
新たに職場を置いた時や、お店を開いた時に、光回線や光電話の契約と同時にギガらくWi-Fiを案内されて契約するといったパターンが一般的。
ただ、中にはNTT東日本や西日本の担当者ではなく、固定回線系の代理店が電話勧誘してくるケースが後を絶ちません。
最近は在宅ワークやフリーランスで仕事をしている人を狙った勧誘もあるようで、「とりあえず料金は少し高くなるけど利点が多いのであれば」とよく分からないまま契約してしまう人も。
契約書等に内容や解約金が全て書かれているとはいえ、固定回線関係の書類は、素人目に分かりづらく、後になって慌ててクーリングオフやキャンセル手続きをするパターンが多いです。
実際、NTT東日本の公式サイトには勧誘の電話や訪問による契約による専用の窓口を解説し、対応に当たっています。
NTT東日本におきましては、弊社の提供するサービス(フレッツ光等)に関する勧誘の電話や訪問につきまして、お客さまから停止して欲しい旨のご依頼を頂いた場合、これまでも再勧誘停止登録を行ってきたところですが、この度、新たに再勧誘停止登録を受け付ける専用の窓口を開設することといたしました。
つきましては、弊社及び弊社代理店からのフレッツ光等に関しての勧誘停止をご希望の際は、下記窓口までご連絡ください。(引用:NTT東日本 企業情報)
ギガらくWi-Fiを契約するメリット
ギガらくWi-Fiを契約するメリットは、次の通りです。
- 速い速度、安定した通信が可能
- 情報の漏えいを防げる
- ネット環境整備が簡単
- 50台までWi-Fi接続できる
- ゲスト向けにWi-Fiを使い分けられる
- 店舗の混雑具合状況をネットに反映できる
一つずつ確認していきましょう。
IEEE802.11acに対応しているため速い速度での通信が可能
周波数帯 | 最大通信スピード | |
11ac ※ |
5GHz | 1,300Mbps 867Mbps 433Mbps |
11n ※ |
2.4GHz /5GHz |
[5GHz] 450Mbps 300Mbps [2.4GHz] 150Mbps |
11a | 5GHz | 54Mbps |
11g | 2.4GH | 54Mbps |
11b | 2.4GH | 11Mbps |
IEEEとは、無線LAN規格を定めているアメリカの学会の名称です。
無線LAN規格は周波数帯やスピードに応じて分かれており、新しい規格が出るにつれて通信や変調方式が新しくなり、最大通信スピードも上がってきています。
普段はあまり見かけない文字列ですが、無線LANルーターやポケットWifiなどの製品詳細やスぺックを見ると必ず記載されているので、一度探してみてください。
ギガらくWi-Fiを契約するとIEEE802.1acに対応した機器を設置してもらえるため、速い速度での通信が可能となります。
ハイエンド6プランはWi-Fi6に対応
ギガらくWiFiで最も料金が高いハイエンド6プランでは最新きかくであるWi-Fi6に対応しています。
これにより、通常のプランに比べて端末数増加、そして最大通信速度の向上が期待できます。
接続できる端末はMACアドレスで指定できるため情報の漏えいを防げる
ネットを使う全ての機器には世界で唯一のアドレスである「MACアドレス」が割り当てられています。
そのアドレスを指定登録しておけばそれ以外の端末からの接続が拒否されるため、登録外の怪しい端末からのアクセスや情報漏えいを防ぐことが可能に。
ただ、iPhoneはiOS8以降からMACアドレスが定期的に変更される仕様に変更されており、一度登録したMACアドレスが後日変更されている現象が起きてしまうので注意してください。
iPhoneのMACアドレスは、「設定」>「一般」>「情報」>「Wi-Fiアドレス」から確認できます。
電源とLANケーブルを繋げるだけでネット環境を整備できる
(引用:ギガらくWi-Fi公式HP)
元から光回線を引いていれば、契約後は設定済みのWi-Fiアクセスポイント装置を設置するだけでギガらくWi-Fi環境を整備することが可能です。
再度大規模な工事をする必要がないため、工事費として多額の費用を支払ったり、店舗の営業を止めたりしなくても良いのは助かりますね。
アクセスポイント1台で50台まで接続できる(ハイエンド6プランは100台)
(引用:ギガらくWi-Fi公式HP)
同時接続数はポケットWifiでは5台から15台程度、無線LANでも10台前後までが目安とされていますが、ギガらくWi-Fiならスマホやタブレット、パソコンなど端末を問わず装置1台あたり約50台まで接続できます。
ハイエンド6プランを契約するとさらに多い100台まで接続可能です。
従業員向けと来訪者向けにWi-Fiを使い分けられる
(引用:ギガらくWi-Fi公式HP)
来訪者にWiFiを使ってもらう時に気になるのがセキュリティや情報漏えい。
インターネット上の社内システムに接続されるのはちょっと困りますよね。
ギガらくWi-Fiであれば、同じアクセスポイント装置から従業員用と来訪者用でWi-Fiを分けて提供できるため、そういった心配も要りません。
cisco製のルーターでハイエンドプランやハイエンドExプランを使える
(引用:「ギガらくWi-Fi「お申込みからご利用開始までのご案内」)
「ハイエンドプラン」「ハイエンドプランExプラン」は、基本のギガらくWi-Fiプランよりもできることが多いプランです。
cisco製の薄平なWi-Fiアクセスポイント装置を使って通信します。
ハイエンドプランやハイエンドExプランを利用すると、次のようなことが可能となります。
- Facebookのチェックイン機能を使ったWi-Fi接続
- ダッシュボード機能
- 指定webサイトの表示
- 公衆Wi-Fiの接続認証方法を多様にできる
とくに「Facebookのチェックイン機能」「ダッシュボード機能」について確認していきましょう。
FacebookのチェックインでWi-Fiを利用できる
この機能は、店舗のFacebookページにある「チェックイン」を選択することで店舗のWi-Fiを利用できるというもの。
利用客がパスワードなどを打ち込む手間なくWi-Fiが使えるため、「使いやすい、便利」といった印象を持ってくれるかもしれません。
また、「〇〇さんが、★★★にチェックインしました。」というお知らせが友達のタイムラインに流れることで、そのまま店舗の宣伝もしてもらえます。
店舗としてもこの機能を使ってWi-Fiを利用した人数やプロフィール情報を収集することができるため、年齢層などに応じて商品を変更するなど、得た情報を宣伝や戦略に生かすことも可能です。
WiFiの電波をキャッチして店舗の訪問頻度や滞在時間を把握することができる
(引用:ギガらくWi-Fi公式HP)
ダッシュボード機能では、「通信トラフィック」「Wi-Fiを利用したアプリケーションの種類」「来訪者数」「滞在時間」といった情報を自動的に解析したうえで教えてくれる機能です。
店舗の利用者がWi-Fiに接続しなかったとしても、アクセスポイント装置が周囲のWi-Fi電波を検知して認識し、分析してくれるため、自動的にターゲット層情報を得ることが可能になります。
人の出入りが多い飲食店では、人数や年齢層を後で集計するのも一苦労です。
こういった機能を利用すれば、利用者の実態を短時間で分析できるので助かりますね。
ギガらくWi-Fiを契約するデメリット
ギガらくWi-Fiを契約するデメリットは、次の通りです。
- ネットの料金に加えて4,000円程度かかり通信費があがる
- 月額費用が高額になりやすい
- 機器や配線の設置を依頼すると費用が発生
- 途中解約時の解約金が高額
- 解約金を一括請求される
一つずつ確認していきましょう。
ネットの料金に加えて4,000円程度かかり通信費があがる
プラン | 月額料金 | 接続端末数 | 最大通信速度 |
ハイエンド6 | 4,180円 | 100台 | 2.4Gbps |
ハイエンド | 3,630円 | 50台 | 1.3Gbps |
ライト | 2,200円 | 30台 | 867Mbps |
ギガらくWiFiを使うためには上記の料金がフレッツ光の回線やプロバイダ料金とは別に発生します。
その為、通信費は10,000円を超えるケースが出てきます。
勧められるがままに契約すれば月額費用が高額になり大変なことになる
メリットを見る限り、法人で使うならギガらくWi-Fiを契約した方が従業員側も客側としても助かりそうなことは多いです。
ギガらくWi-Fiには、カメラオプションやリモートアクセスオプションなど、あったら便利そうなオプションがずらりとあるため、おすすめされるままに契約すると月額料金が高額になってしまうかもしれません。
【主なギガらくWi-Fiオプション】(税込)
- カメラ装置1台あたり
[2,750円/月] - 訪問修理オプション
[550円/月] - LAN給電オプション(5年)
[440円/月]
これらのオプションをあれもこれも契約してしまうと、毎月の請求額が膨らんでしまいますよね。
機器の配線や設置を依頼するとその度に初期費用が発生する
種類 | 料金 (税込) |
|
初 期 費 用 |
基本工事 | 4,950円 /1工事ごと |
アクセス ポイント設置 |
2,750円 /1台ごと |
|
LAN給電 オプション |
550円 /1台ごと |
|
カメラ装置設置 | 2,750円 /1台ごと |
|
リモートアクセス 装置設置・設定 |
||
LANケーブル 配線 |
12,100円 /1配線ごと |
装置の配線や設置ができれば、基本的には初期費用は発生しません。
ただNTT側にそれらを依頼すると、各工事内容に応じた費用が掛かります。
導入費用を少しでも抑えたければ、装置の設置などはできるだけ自分で行いましょう。
(参考:NTT東日本「標準的な工事の場合」)
途中解約による違約金は高額になる可能性大。一括で請求されるので注意!!
契約後に途中解約時の違約金の仕組みを知り、契約を後悔してしまうことが多いのがギガらくWi-Fiです。
プラン | 月額料金 | 解約金 |
ハイエンド6 | 4,180円 | 11,000円 |
ハイエンド | 3,630円 | 11,000円 |
ライト | 2,200円 | 5,500円 |
ハイエンドEx5年 | 6,050円 | 残月数×3,740円 |
ハイエンドEx2年 | 9,350円 | 残月数×9,350円 |
プランによってはかなり高額な違約金が発生するので注意が必要です。
NTTのギガらくWi-Fiの解約方法
ギガらくWi-Fiの解約方法について確認していきます。
ギガらくWi-Fiの解約はクーリングオフ制度を使える?
クーリング・オフ制度は、電話や勧誘を受けて契約してしまった場合や、相手の説明が不十分であった時に利用できる制度です。
残念ながら、インターネットなどの電気通信サービスは、基本的にはクーリング・オフ制度の対象外であるため、たとえ電話や勧誘を受けて契約した場合でも、制度を利用した解約はできないことになっています。
それでも、電気通信サービスでは8日以内に解約手続きをすることで違約金負担が無くなる「初期契約解除制度」を利用できる場合もあるので、まずは契約先に解約の旨を連絡してみてください。
ギガらくWi-Fiの解約は0120-116-116に問い合わせを
NTT東日本と契約した場合は「0120-116-166」に、NTT西日本と契約した場合は「0120-765-000」に解約の旨を問い合わせてみましょう。
【ギガらくWi-Fi解約連絡先】
NTT東日本【連絡】0120-116-116
NTT西日本【連絡】0120-765-000
9時~17時、土日祝日も営業
NTTと直接契約せず正規代理店で契約した場合は、代理店を優先して連絡してください。
必要であればNTT本社、消費生活センターに連絡を
「正規代理店から申し込んだつもりで、どうやらNTTを語る怪しい代理店と契約してしまった…。」という時は、必要に応じてNTT本社や消費生活センターに連絡をしましょう。
NTTでは正式に相談フォームを設置しており、消費生活センターでも対応してもらえます。
NTTにたらい回しにされるなどの対応を取られてしまった時は、総務省の「電気通信サービスに関する情報受付フォーム」へ連絡するのも方法の一つです。
NTTのギガらくWi-Fiの勧誘には気を付けて
NTTのギガらくWi-Fiのメリット・デメリットや解約違約金、解約方法について解説してきました。
自宅でもっさりな通信をしている私からすると、仕事中にギガらくWi-Fiでネットを使えるとかなりのサクサク感に感動しますし、PDFや画像のダウンロードも速くて助かっています。
ネットを使った作業の多い企業や、Wi-Fiが使えることをウリにしたい店舗であれば、導入によって快適な通信環境を作れるでしょう。
ただ、途中解約時の違約金は、契約残月数やオプションが多いほど高額になりやすいので、契約時は先々のことまで考えたうえで検討するようにしてください。