ドコモ光やソフトバンク光など、人気のある光回線は「2年契約」のような、契約期間に「縛りがある」ものが多いです。
しかし仕事や引越しなどにより、インターネット契約ができるとしても半年や1年などの短期間だけという場合には、そもそも光回線を契約するべきなのでしょうか。
結論から言うと、たとえ短期間の利用だとしても、3か月以上使うなら光回線は契約すべきです。
3か月以上というのは、光回線は申し込みから開通までが1か月程度かかることや、キャッシュバックの受け取り時期が2か月から3か月後とする窓口があるため。
それに解約時に工事費の残債や違約金があっても、乗り換えでキャッシュバックを受け取れる光回線を契約すれば、十分カバーすることができます。
2か月以内の超短期間利用は、Mugen WiFiや、どこよりもWiFiなどのポケットWiFiレンタルを検討しましょう。
本記事では、契約期間に縛りがない光回線や、短期利用する際の注意点について解説していきます。
インターネット光回線は短期契約がなくても「短期利用」ができる
まず大前提として、短期契約のできる光回線はありません。
スマホとのセット割が使えたり、月額料金が大幅に割引されたりする光回線は、2年から5年のスパンで契約するものがほとんどです。
光回線 | 戸建て料金 マンション料金 |
スマホ 料金割引 |
キャッシュ バック |
契約 期間 |
工事費用 (※1) |
詳細 情報 |
ドコモ光 | (戸)5,200円~ (マ)4,000円~ |
ドコモ ~月1,100円 |
最大20,000円 +dポイント 2000pt |
2年 | 無料 | 詳細 |
auひかり | (戸)4,900円~ (マ)3,800円~ |
au ~月1,100円 |
最大 52,000円 |
2年or 3年 |
実質 無料 |
詳細 |
ソフト バンク光 |
(戸)5,200円 (マ)3,800円 |
ソフトバンク ~月1,100円 |
最大 36,000円 |
2年 | 実質 無料 |
詳細 |
NURO光 |
(戸)4,743円 (マ)~4,743円 |
ソフトバンク ~月1,100円 |
45,000円 | 2年or 3年 |
実質 無料 |
詳細 |
So-net光 プラス |
(戸)3,080円~ (マ)2,080円~ |
au ~月1,100円 |
なし | 3年 | 実質 無料 |
詳細 |
※1:「実質無料」では、工事費用の分割代金が毎月割引されることで負担額が0円となります。
しかし次に解説する方法を選ぶことにより、半年や1年などの短期間だけ使うこと自体は可能です。
光回線を短期間だけ利用する方法とは
インターネット光回線を短期間だけ利用する方法は、ずばりこちらです。
【短期間だけ光回線を利用する方法】
- 引越し先でもそのまま使う
- 定期契約のある光回線でも途中で解約する
- 契約期間に縛りがない光回線を選ぶ
基本的には、定期契約のある光回線を選んでおけば大丈夫です。
一見すると違約金がかかるというデメリットがあるようにも思えますが、総額料金で考えると案外安く利用できます。
どのような場合におすすめかをまとめたので、それぞれについて確認していきましょう。
引越し先でも引き続き使う
数か月先に引越しがあることを理由に、短期利用できる光回線を探している場合は、引っ越し先でもそのまま使える光回線を選ぶのが一番です。
例えば、ドコモ光(詳細)やソフトバンク光(詳細)では引越し先でも使い続けられるため、途中解約になることはありません。
特に問題がなければ、たとえ今の住所での契約が短期間になるとしても、新規契約をしておけばOKです。
ただし、引っ越し後に建物タイプが変わる場合や、NTT東日本とNTT西日本をまたぐ場合など、条件によっては一旦解約を求められることもあるので、契約前によく確認しておきましょう。
別記事で「引っ越し後が多い人が選ぶべき光回線」についても解説していますので、合わせて読んでみてください。
契約期間に縛りがあっても途中で解約する
ドコモ光やソフトバンク光、NURO光などの比較的人気のある光回線は、契約期間に縛りをつけることで、月額料金割引やポイント付与といった特典を受けることができます。
その反面、途中解約すると5,000円から20,000円程度の違約金がかかるのがネックです。
しかし実際は、契約期間が短くても途中解約することで、費用負担をむしろ抑えられます。
例えば、新規契約で戸建てタイプを契約した場合、4年未満の解約であれば、ソフトバンク光やNURO光がおすすめです。
【新規契約・戸建てタイプ】
サービス | 回線 | 契約 年数 |
1年で 解約 |
2年で 解約 |
3年で 解約 |
4年で 解約 |
5年~ | 10年~ |
フレッツ光 | 2年 | 76,170円 | 130,510円 | 213,450円 | 267,790円 | 336,430円 | 679,630円 | |
フレッツ光 | 2年 | 58,770円 | 103,760円 | 182,850円 | 241,040円 | 309,680円 | 652,880円 | |
auひかり | 3年 | 106,406円 | 170,762円 | 217,298円 | 296,834円 | 343,370円 | 666,740円 | |
NURO光 | 2年 | 58,434円 | 92,996円 | 138,248円 | 155,788円 | 270,546円 | 583,566円 | |
フレッツ光 | 3年 | 87,260円 | 127,820円 | 175,576円 | 264,432円 | 313,288円 | 681,568円 | |
フレッツ光 | なし | 60,068円 | 116,564円 | 173,060円 | 229,556円 | 286,052円 | 568,532円 | |
フレッツ光 | 2年 | 65,000円 | 106,800円 | 185,120円 | 241,440円 | 308,760円 | 645,360円 | |
excite光 MEC |
フレッツ光 | なし | 70,360円 | 124,360円 | 178,360円 | 232,360円 | 286,360円 | 556,360円 |
フレッツ光 | なし | 74,830円 | 126,310円 | 177,790円 | 229,270円 | 280,750円 | 538,150円 | |
DTI光 | フレッツ光 | なし | 60,900円 | 118,500円 | 176,100円 | 233,700円 | 291,300円 | 579,300円 |
また、マンションタイプを新規契約した場合も、2年契約であるNURO光やソフトバンク光、auひかりを契約することで安くなります。
【新規契約・マンションタイプ】
サービス | 回線 | 契約 年数 |
1年で 解約 |
2年で 解約 |
3年で 解約 |
4年で 解約 |
5年~ | 10年~ |
フレッツ光 | 2年 | 54,950円 | 98,950円 | 160,550円 | 204,550円 | 257,350円 | 521,350円 | |
フレッツ光 | 2年 | 40,430円 | 66,940円 | 127,550円 | 167,260円 | 217,420円 | 468,220円 | |
auひかり | 3年 | 30,405円 | 67,365円 | 113,125円 | 174,285円 | 220,045円 | 487,345円 | |
NURO光 | 2年 | 49,034円 | 53,992円 | 87,180円 | 109,730円 | 142,730円 | 307,730円 | |
フレッツ光 | 3年 | 73,488円 | 100,224円 | 133,360円 | 206,496円 | 245,632円 | 541,312円 | |
フレッツ光 | なし | 55,868円 | 98,564円 | 141,560円 | 184,856円 | 228,152円 | 444,632円 | |
フレッツ光 | 2年 | 42,050円 | 64,050円 | 122,570円 | 159,090円 | 206,610円 | 444,210円 | |
excite光 MEC |
フレッツ光 | なし | 55,660円 | 97,660円 | 139,660円 | 181,660円 | 223,660円 | 433,660円 |
フレッツ光 | なし | 56,200円 | 93,400円 | 130,600円 | 167,800円 | 205,000円 | 391,000円 | |
DTI光 | フレッツ光 | なし | 46,500円 | 89,700円 | 132,900円 | 176,100円 | 219,300円 | 435,300円 |
詳しくは別記事「インターネット光回線のおすすめランキング」で解説していますが、結局は短期利用だとしても、契約期間の縛りがあるかないではなく、総額料金負担を考えて契約するのが一番と言えます。
ただしNURO光は他の光回線に比べて開通まで時間がかかることもあるので、開通を急ぐような場合は避けるのが無難です。
また、戸建てでauひかりを契約した場合、解約時に必ず回線の撤去費用がかかるため、こちらも短期利用には不向きと言えます。
したがって、戸建てタイプはソフトバンク光、マンションタイプは建物が対応しているならNURO光やauひかり、非対応ならソフトバンク光を選ぶと良いでしょう。
契約の縛りがない光回線のプランを契約する
契約期間に縛りがないプランを選ぶのは、かなり限定的な場合に限ります。
- 契約期間に縛りがある光回線の更新月が近い場合
- 転用や事業者変更をして、2か月や3か月の超短期間だけ光回線を使いたい場合
基本的には契約期間に縛りがある光回線を選べば大丈夫ですが、もし上記のような条件にあてはまることがあれば、検討すると良いでしょう。
「縛りのない光回線だけを比較した記事」もあるので、こちらもぜひチェックしてみてください。
更新月後に数ヶ月で解約する予定がある
実は契約期間の縛りがあるプランをメインで扱うところでも、縛りのないプランが提供されていることがあります。
縛りがあるプランに比べると料金は割高なものの、更新月のタイミングでプラン変更をすることで、縛りのない契約にすることは可能です。
例えばドコモ光には「定期契約のない料金プラン」(月額7,310円・込)があります。
途中解約すると戸建てタイプは14,300円(税込)、マンションタイプは8,800円(税込)の費用が掛かりますが、契約満了月とその翌月・翌々月にプラン変更をすれば費用は必要ありません。
更新月に短期間で解約する予定があるなら、切り替えておくことで違約金の支払いを避けられるというわけです。
転用や事業者変更で短期間使いたい
転用(例:フレッツ光からドコモ光に乗り換え)や、事業者変更(例:ドコモ光からソフトバンク光に乗り換え)の場合、光回線の工事が要らなかったり、機器を交換するだけで済んだりすることが多いです。
新規契約に比べるとキャッシュバック額は少なくなりがちですが、申し込みをして数日から1週間程度で使い始めることができます。
ここで、ドコモ光の2年契約新規、プラン変更で定期契約なし、おてがる光を半年使った時の総額を比べてみましょう。
※税込表示で比較しています。
【戸建てタイプの場合】
2か月で 解約 |
3か月で 解約 |
4か月で 解約 |
5か月で 解約 |
6か月で 解約 |
詳細 | |
ドコモ光 (2年新規) |
20,240円 | 28,710円 | 15,180円 | 20,900円 | 26,620円 | 詳細 |
ドコモ光 (定期契約 なし) |
11,770円 | 19,140円 | 26,510円 | 33,880円 | 41,250円 | 詳細 |
おてがる光 | 13,816円 | 18,524円 | 23,232円 | 27,940円 | 32,648円 | 詳細 |
【マンションタイプの場合】
2か月で 解約 |
3か月で 解約 |
4か月で 解約 |
5か月で 解約 |
6か月で 解約 |
詳細 | |
ドコモ光 (2年新規) |
17,600円 | 24,750円 | 9,900円 | 14,300円 | 18,700円 | 詳細 |
ドコモ光 (定期契約 なし) |
15,950円 | 21,450円 | 26,950円 | 32,450円 | 37,950円 | 詳細 |
おてがる光 | 11,616円 | 15,224円 | 18,832円 | 26,048円 | 29,656円 | 詳細 |
ドコモ光は新規契約でキャッシュバックがある4か月目以降は安くなりますが、2か月や3か月で解約するなら、おてがる光を転用や事業者変更で申し込んだほうがお得になることが分かります。
したがって、光回線を超短期間だけ利用したい場合は、新規契約でキャッシュバックのもらえる月まで契約できるかを基準に選びましょう。
更新月のタイミングで、定期契約なしプランへ変更するか乗り換えるかで悩んでいる場合は、それぞれの総額料金を比べると、本当にお得なプランが見えてきます。
以上をまとめると次の通りです。
- キャッシュバックがもらえる月まで利用できる
→契約期間に縛りがある光回線を新規契約 - キャッシュバックがもらえず今契約中の回線もない
→ポケットWiFiやホームルーター - 更新月後数ヶ月で解約する予定がある
→定期契約なしにプラン変更
→それよりも安ければ転用や事業者変更
短期間の利用におすすめの光回線はどれ?
光回線を短期契約することはできないものの、途中で解約したり、契約期間に縛りのないプランや光回線を選んだりすることで、短期間だけ利用できることが分かりましたね。
そこで、総額料金シミュレーションから分かった、短期間の利用におすすめの光回線について紹介します。
【おすすめの光回線】
- ソフトバンク光
- NURO光
- BB.excite光Fit
- おてがる光
それぞれ確認していきましょう。
ソフトバンク光
ソフトバンク光は引越し先でもそのまま利用可能で、キャッシュバックも多くもらえるため、契約期間に縛りのある光回線のなかで最もおすすめです。
もし解約したとしても、キャッシュバックがもらえるまで契約し、その後の乗り換え先でもキャッシュバックをもらえば、工事費の残債などを気にする必要はありません。
ソフトバンクスマホとのセット割もあるので、ぜひ検討してみましょう。
NURO光
NURO光は、引越しする時に一旦解約が必要ですが、必要な手続きを踏めば工事費の残債などを引き継ぐことができる光回線です。
通信速度が他の光回線よりも速いため、できるだけインターネットは高速通信で使いたいという人に向いています。
ちなみに、キャッシュバックがもらえるのは半年後なので、利用がそれよりも短期間になる場合は他の光回線を検討するようにしてください。
BB.excite光Fit
BB.excite光Fitは、契約期間に縛りがなく、データ使用料に応じて料金が変動するタイプの光回線です。
新規契約の場合は、定期契約がありキャッシュバックをもらえる光回線がおすすめですが、転用や事業者変更で工事が要らず、利用も数ヶ月程度を予定しているなら選択肢に入ってきます。
戸建てで月30GBまでが3,520円、200GBまでなら4,290円ですし、マンションタイプでも30GBまでは2,640円、200GBまでは3,410円と比較的割安な設定なので、少しでも費用を抑えたい場合におすすめです。(税込表示)
おてがる光
おてがる光は、契約期間に縛りがなく、月額料金も比較的安く設定されている光回線です。
新規工事だと工事費用は自己負担となりますが、転用や事業者変更で3か月程度利用するのであれば、縛りがある光回線よりも費用を抑えられます。
ただし、縛りがある光回線でキャッシュバックをもらえる月まで契約できる場合は、そちらを選ぶほうが安いです。
利用できる期間はいつまでなのかを明確にしておき、それよりも安くなるようなら申し込むと良いでしょう。
光回線を短期利用する時の注意点
最後に、光回線を短期利用する場合に気を付けたいことをまとめました。
【光回線短期利用時の注意点】
- 短期間で解約した時の工事費残債や違約金の総額を確認する
- 乗り換えキャンペーンがあればできるだけ活用する
- 割引や特典は無理に狙わない
- 時間的余裕が無ければ代替手段に切り替える
それぞれ確認していきます。
利用終了予定月の工事費残債や違約金の支払い額を確認
新規契約をした場合、ほとんどの光回線では月額料金から一定額を割り引くことで、工事費が実質無料になります。
しかし工事費の分割料金を払い終える前に解約すると、払い終えていない分を一括で請求されるうえに、違約金の支払いも必要です。
ただし、キャッシュバックをもらえればその多くはカバーできるので、利用を終える月までにキャッシュバックを受けとれるかどうかは、契約前の段階でよく確認しておきましょう。
そしてキャッシュバックが受け取れそうになければ、縛りのない光回線を選ぶのがおすすめです。
乗り換えキャンペーンをうまく利用する
短期利用後に他の回線に乗り換えるなら、違約金を負担してくれるキャンペーンなどを上手に活用したいところです。
そうすれば、たとえキャッシュバックを受け取れなくても、工事費の残債や違約金をカバーできます。
違約金負担で選ぶなら、ソフトバンク光や、auひかりがおすすめです。
割引や特典の適用は必要なものだけにする
光回線を契約する時は、オプションをつけると割引を多くしてもらえるなど、いくつもお得な特典があります。
ただし、オプションごとに利用する期間や違約金が決まっていることもあり、短期利用でありながら費用負担が多いということにもなりかねません。
月額料金割引やお得な特典は確かに魅力的ですが、不必要な出費を避けるためにも、できるだけ最低限のものに絞るようにしてください。
使えるまで時間がかかるならポケットWiFiやホームルーターを選ぶ
新規契約だと、短期利用のつもりで申し込んでも開通するまでに時間がかかり、せっかく工事をしてもすぐに解約しないといけなくなるケースも考えられます。
ですから、申し込みから開通までが少し長くなりやすいNURO光やauひかりの戸建てタイプは、短期利用にはあまりおすすめできません。
他の光回線でもあまりにも工事が先になりそうであれば、インターネットの不通期間を短くするためにも、ポケットWiFiやホームルーターの契約も検討しましょう。
ポケットWiFiであれば、月額3,380円(税込3,718円)で使えるMugen WiFiや、どこよりもWiFiがおすすめです。
外出先よりも自宅で使うことのほうが多いなら、ホームルーターならソフトバンクエアーや、モバレコAirが便利に使えます。
まとめ|短期利用でも契約期間に縛りがあり光回線でOK!
短期契約ができるひかり回線はありませんが、途中で解約したり、契約期間に縛りが無いプランや光回線を選んだりすることで、短期的に利用することもできます。
キャッシュバックがもらえる月まで契約できるなら、基本的には契約期間に縛りがある光回線を選択し、工事費の残債や違約金をカバーしてしまえばOKです。
ただし、2か月から3か月とかなり期間が短めなら、契約期間に縛りがない光回線を転用や事業者変更で契約したり、契約期間に縛りが無いプランに変更することも考える必要があります。
なお、おすすめの光回線について料金を徹底的に比較した記事もありますので、ぜひこちらも参考にしてください。