W05やW04などのWiMAX機器を有線LAN接続したい時や充電したい時に使われるのがクレードル。
実は、W06においてはクレードルが廃止されており、有線LAN接続することができません。
本記事では、W06からクレードルが無くなった理由や、W06と有線接続する方法、W05やW04のクレードルとの互換性について解説していきます。
W06にはクレードルがない、なぜ廃止された?
WiMAXで有線LAN接続するのに欠かせなかったクレードル。
新作が発表される度にクレードルも合わせて販売されてきましたが、2019年1月発売のW06ではクレードルがありませn。
UQ WiMAX側から、W06でクレードルが無くなった理由について特に公表はされていませんが、通信業界の様相やWiMAXの製品ラインナップから、いくつかの仮説を立てることができます。
仮説1|無線LAN利用が増え、有線LAN接続の需要が減少しているから
総務省の『平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によると、調査に回答した10代から60代のうち、自宅で無線LANを利用している人が約75%いることが分かりました。
さらに、「自宅に無線LANはあるが自分は非利用」の割合を足すと約83%となることから、家庭用無線LANが大方普及していることが伺えます。(上図)
また、『平成30年通信利用動向調査(総務省)』によると、平成30年時点で「モバイル端末全体」の保有状況で84%、スマートフォンが64.7%となっており、携帯電話やスマホから情報を得ている人も多いです。
モバイル通信や無線LANによる通信が中心になると、有線LAN接続の需要は一部にしか過ぎません。
- 無線LAN接続より安定性を上げたい
- オンラインゲームで反応速度が重要だから
- パソコンが無線LANに対応していないから
こういった回線速度やping値を考えての有線LAN接続であれば、WiMAXの有線LAN接続よりも固定回線の方が向いています。
したがって、「WiMAXにおける将来的な有線LAN接続の需要の少なさを見込んで廃止した」というのが一つの仮説です。
仮説2|有線LANポートの無いパソコンが増えてきたから
少し前に比べて街にはすっかり公衆無線LANが増え、有線LANケーブルが無くてもネットを使える環境が定着してきています。
また、無線LANの普及やノート型パソコンの軽量化が進み、有線LANポートを仕様から外したパソコンが増えました。
基本的には無線LANで接続できますし、有線LAN接続したければ変換アダプタがあれば十分対応できます。
無線LAN機能が付いていないパソコンでも、USBポートがあれば無線LAN子機を挿してネット接続が可能など、ネット利用に有線LANポートが必要というわけではなくなってきたと言えるでしょう。
総じて、「公衆無線LANの普及や製品の軽量化で有線LANポートの無いパソコンが増えたから」を2番目の仮説とします。
仮説3|ホームルーターの販売促進のための棲み分け
ホームルーターは、固定回線工事をせずに使えて、スマホの速度制限対策としても人気があります。
Speed Wi-Fi HOME L02は、W06よりも接続台数が多いうえに、有線LANポートも2つ。
ホームルーターはポケットWifiよりも電波感度が良いため速度が出やすく、auスマートバリューの対象製品でもあります。
WiMAXプロバイダでもホームルーターを扱っているところは多く、UQ WiMAXから毎年新作が出ていることを考えると、ホームルーター販売にますます力を入れていきたいところでしょう。
つまり、第三の仮説としては「ホームルーターの販売を促進するためにポケットWifiと差別化を図りたかったから」を挙げることができます。
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W04やW05のクレードルとの互換性は?
W04やW05は、W06と同じType-Cに対応していることから、クレードルの互換性が気になりますよね。
そこで今回は実際に、W04やW05のクレードルを使って互換性を検証しました。
なお、WiMAXとしてはクレードルを専用機種以外で使用することに対し、基本的には利用を推奨していません。
もし機器に故障が出ても補償してもらえなくなるので注意してください。
クレードルがあると何が良かったの?
そもそも、クレードルの大きな役割は「充電台になること」です。
ポケットWifiの充電忘れが多い人にとっては、目印があるだけで助かりますよね。
また、WXシリーズではクレードルに置くことで電波感度が上がったり、バッテリモードが自動で変更される設定にできたりと「クレードルを利用するだけの価値」を持たせていました。
HUAWEIのWシリーズでもクレードルは使えたものの、WXシリーズに比べるとクレードルの有用性に重きが置かれていなかったように思えます。
W04とW05のクレードルとの互換性は?
では、W06はW04やW05のクレードルとの相性について見ていきましょう。
W04とW05で充電はできる
W04とW05はType-Cコネクタになっています。
W03以前はコネクタ自体が違うので使えません。
ACアダプタをクレードルに挿した状態でW06を載せると、充電中マークが作動。
そのまま置いておくとしっかり充電されており、W04やW05のクレードルでも充電自体はできることが分かりました。
なお、WXシリーズは左右のWウイングが邪魔になってしまうため、残念ながら充電すらできません。
クレードルに挿して有線LAN接続はできない
パソコンとクレードルを有線LANケーブルで接続し、再起動や再接続など試みてみたものの通信はできませんでした。
有線LAN接続の信号に応える機能がW06に搭載されていないめ、クレードルを介したところで通信はできないようです。
すなわち、Type-Cと有線LANを変換するアダプタを利用しても接続は不可能。
あくまでもW06の有線接続はUSBのみと考えておきましょう。
W06で有線接続するにはUSB3.0対応のType-Cを用意して
W06で有線接続する際の注意点について見ていきます。
有線接続時に見落としがちなのが、ケーブルの性能です。
ケーブルの種類によっては、W06の有線接続の速度が発揮されない可能性があります。
回線速度を上げるにはUSB2.0よりもUSB3.0でUSB接続を
W06でUSB接続する時は、USB3.0のケーブルを選びましょう。
USBには2.0や3.0といった種類があり、3.0を使うとデータの転送速度が格段に違います。
形状は似ていますが、USB3.0は差込口が青くなっているので見分けやすいです。
ただ、USB3.0の転送速度パワーを発揮するには接続先も3.0に対応している必要があります。
パソコンの差込口が2.0の場合はUSB3.0を使ってもあまり意味がありません。
使う時は「差込口が青いUSBを青いポートに挿す」と覚えておきましょう。
W06を購入してもType-Cケーブルはついてこない。追加購入か自前で用意を
W06が届いてから気付く人もいるのが、無料でケーブルが付属されて来ないこと。
契約時のページでは分かりにくく、購入し損ねてしまう人も少なくありません。
公式サイトのアクセサリーショップから購入できますが、送料が掛かってしまうのが難点。
UQ公式でなくても、Amazon等で用意しても良さそうです。
W06で有線LAN接続はできないが、USB有線接続は可能
W06でクレードルが廃止された理由、W04やW05のクレードルとの互換性、USBで有線接続する時の注意点等について見てきました。
有線LAN利用者からするとW06で有線LAN接続ができなくなったのは痛いですよね。
ただ、旧機種のクレードルや端末本体はメルカリやヤフオクで手に入りますし、UQ WiMAXではSIMのみの販売も取り扱っています。
有線LAN接続のできる機種を優先するならWX05以前の機種とクレードルを用意するまでです。
WiMAXの乗換時期が迫っていればホームルーターを選ぶのもありですね。
とにかく、W06にはクレードルがなく、旧機種のクレードルや変換アダプタを使っても有線LAN接続ができない点は注意しておきましょう。