格安SIMを契約した人の中には、中古でスマホの端末を購入する人も多いでしょう。
その際に絶対に注意しなければいけないのが「白ロム」と「赤ロム」です。
中古スマホを取り扱っている店舗の中には「赤ロム保証」と書いてあることもあります。
いったいこの「白ロム」「赤ロム」とは何なのか、トラブルに合わないための予防策なども紹介していきます。
中古スマホ、携帯やルーターの「白ロム」と「赤ロム」って何?
「白ロム」「赤ロム」とは中古のスマホやルーター端末の状態を表しています。
白ロムは回線と契約したSIMの入っていないスマホや、電話番号が登録されていない携帯電話を指します。
中古、新品に限らず、SIMを挿し込めば使えるスマホ、契約者情報を書き込めば使用できる携帯電話の端末は「白ロム」です。
キャリアから購入するよりも、安く手に入り好きなSIMを挿すことができるというメリットがあります。
対して「赤ロム」とは何らかの事情によりキャリアがロックをかけて利用できない状態にしている端末のこと。
SIMさえあれば通信ができる「白ロム」とは違い、「赤ロム」はSIMを挿しても通信を行うことは出ません。
白ロムとは?
まずはSIMを挿して使うことのできる白ロムから説明していきましょう。
SIMフリーとは何が違う?
白ロムと聞くと何でも好きなSIMを入れられる「SIMフリー」であると思っている人も多いかもしれませんが、白ロムとSIMフリーは意味が異なります。
まずキャリアで購入した端末にはそのキャリアの回線以外が使用できないようSIMロックがかかっています。
たとえばSoftbankで購入したスマホはSoftbankの回線を使用するSIM以外は使えません。
もしこの端末にauのSIMを挿したい場合は、SIMロックを解除する必要があります。
対してAppleStoreで購入したiPhoneなどは、キャリアのロックがもともとかかっていません。この状態がSIMフリーです。
白ロムとして販売されている中古のスマホは、SIMロックのかかったもの、解除されたもの、SIMフリーのものが混在しています。
白ロムだからと言ってSIMフリーではないことに気を付けましょう。
白ロムの入手方法
白ロムは以下の方法で入手が可能です。
- 販売店(実店舗/公式サイト)
- 通販サイト
- オークションサイトやフリマアプリ
実店舗よりも通販サイトやオークションの方が安く端末が手に入ります。
メリット | デメリット | ||
販売店 | 保証がある 実物を確認できる |
価格が高め | |
通販サイト | 手軽に購入できる 種類が豊富 |
商品の状態が わかりにくい |
|
オークション | 価格が安め | 出品者の信頼度が わかりにくい |
ただしネットでの購入は詐欺が多かったり、赤ロムかどうか見極めるのが難しかったり、万が一赤ロムを買ってしまった場合に対処ができないなどの欠点があります。
そのため価格は多少高くなってしまいますが、大手の中古スマホ販売店で買うのが一番安全です。
中でもソフマップやムスビーはWEBからも購入可能。口コミの評価も高いためおすすめです。
白ロムでの注意点
使用する分には何の問題もない白ロムですが、購入に際しいくつか注意点があります。
SIMの確認は必須
SIMのサイズは3種類あります。
現在ほとんどの端末が一番小さなnanoSIMに対応していますが、古い端末ではmicroSIMの場合も。
白ロムを購入する際は使っている、もしくは契約するSIMのサイズを確認しましょう。
また中古の白ロムはすべての回線に対応しているとは限りません。
前項でも述べた通り、白ロムでもSIMロックがかかったままのものがあります。
ロックは端末購入後に解除することも可能ですが有料となってしまうため、自分のSIMと合った端末を探すようにしましょう。
格安SIMを検討中の場合は、どの回線を選んでもいいようにSIMフリーのものかSIMロック解除済のものを購入しておくと後々困らないのでおすすめです。
バッテリーが弱っていたりすぐ故障することも
オークションなどで購入できる中古端末の白ロムは、前使用者が長く使っている場合バッテリーが消耗していることがあります。
いざ持ち歩いてみたらバッテリーが持たなくなっていて使い物にならないといったトラブルは割とありがちです。
バッテリーを取り外して交換できるタイプであれば、バッテリーのみを購入し付け替えるだけで済みますが、iPhoneのように自分でバッテリーを取り換えることができない端末ではそういうわけにもいきません。
販売店で購入すると、傷などの状態の他にバッテリーの容量が表示されているので参考にしましょう。
また故障に関しても販売店であれば半年などの期限付きで返品対応してくれる場合があるので安心です。
ネット購入は実物写真を確認しよう
ネットで購入する際、販売店や通販サイトにかかわらず、実物の写真を掲載していない場合は注意が必要です。
通販サイトはもちろんのこと、イオシスなどの信頼のおける販売店で良いランクの端末であっても、1日に何台も流れ作業のように確認をするため、傷の具合のチェックが甘いことがあります。
実物写真があれば端末の状態に納得して購入できるため、問題ないと言えるでしょう。
中古のiPhoneは要注意 アクティベーションのロックとは
iPhoneはスマホの中でもハイスペックで高価な部類の端末です。
そのため、中古で安く購入したいと思っている人も中にはいるでしょう。
しかしiPhoneは高い分長く使う人が多く、状態のいい端末が市場に出回りにくい傾向にあります。
傷が比較的多くても美品として取り扱われている可能性もあるので、気になる場合は実物の写真をよく確認しましょう。
また、iPhoneに起こりうる問題がアクティベーションロックです。
前使用者がiCloud上でアクティベーションにロック(「iPhoneを探す」の機能がオンになっている状態)をかけてしまっている場合、たとえ初期化済であっても前所有者のIDとパスワードを入れない限り使用することができません。
アクティベーションロックは盗難防止のシステムですが、こういった弊害もあるんですね。
オークションでiPhoneを購入する場合には特に気をつけましょう。
赤ロムとは?
白ロムに対して、何らかの事情によりロックがかけられ、画面上のアンテナが赤くなった状態の端末を赤ロムと言います。
赤ロムになってしまった端末はSIMを入れても使うことができないため、中古でスマホを買う際は絶対に確認が必要です。
赤ロムになる原因とは?
端末が赤ロムとなってしまう原因はいくつかあります。
- 窃盗や詐欺などで入手された
- 不正な契約で入手されている
- 紛失などで補償サービスの対象となっている
- 機種代金が滞納されている状態
いずれの場合もあまりよくない状況だということがわかりますね。
盗難、紛失した端末は前所有者がその事実をキャリアに伝えた時点で赤ロムとなります。
また機種代金は前所有者が残債を払い続けている限り赤ロムにはなりませんが、滞納してしまった段階でロックがかかり利用不可に。
盗難品や代金未納は中古端末として購入した側ではどう対処することもできないため、基本的に赤ロムは「購入することを防ぐ」方向で考えましょう。
赤ロムを防ぐための方法、見分け方
具体的に赤ロムを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか。
見分け方や万が一に備える方法を確認しましょう。
製造番号(IMEI)を確認する(利用制限検索サイトで可能)
中古端末を購入する際、絶対に行った方がいいのが製造番号(IMEI)の確認です。
まず、IMEIがわからない端末は候補から除外しましょう。
中古スマホを販売する際IMEIの提示は必須のため、提示できない時点で怪しいと疑うことができます。
オークションの場合は記載されていないこともありますが、その場合は出品者に確認を取ってIMEIを教えてもらえれば問題ありません。
IMEIがわかったら対応するキャリアの利用制限検索ページにIMEIの数字を入れる(15もしくは14桁)ことで確認ができます。
各キャリア利用制限検索ページ
【docomo】【au】【Softbank】
結果は〇、△、×の3種類。(「ー」は入力ミスです)
〇 | 現状は安全な端末 | |
△ | 現在分割払い中の端末 | |
× | 赤ロム |
基本的に結果が〇以外は購入しないことをおすすめします。
×の場合は当然ですが、△の端末であっても前使用者の支払い状況によって今後×に変化し、赤ロムとなってしまう可能性もあるため避けるのが無難です。
赤ロム保証のある販売店で買う
大手販売店の多くは万が一購入した端末が赤ロムだった場合、同等のものと交換もしくは返金してくれる保証を行っています。
販売店では利用制限もきちんと確認し販売を行っていますが、たとえ〇判定が出ていてもまれにその後赤ロムとなってしまうケースがあります。
どのタイミングで赤ロムになってしまうかはわからないので「永久保証」の販売店であることが望ましいですね。
一方オークションや通販サイトでは、購入後赤ロムになってしまったとしても返品などには応じてもらえないことがほとんどなので、その点を理解したうえで購入しましょう。
オークションでは保証書や箱がついているものを買う
端末を選ぶ際、保証書や箱はどうせ邪魔だと思って避けてしまっている場合は注意が必要です。
たしかに実際に使う機会はあまりありませんが、盗品ではなく正規に購入したものである何よりの証拠となります。
オークションでは特に盗品などが出回りやすいため、箱や保証書の有無は赤ロムを見分けるポイントです。
相場や出品者情報、商品情報を確認する
あまりに安いものや出品者の評価が低いものは、赤ロムや質の悪い端末である可能性が高いです。
それ以外にもジャンク品として赤ロムだとわかった上で販売している場合もあります。
ジャンク品は詐欺でない限り商品情報に記載されているので、中古品購入時は提示されている情報にはすべて目を通すようにしましょう。
白ロムだった端末が赤ロムに変わってしまうことも
中古スマホの中には使用し始めたときや、製造番号を確認したときは白ロムでも、しばらくすると赤ロムに変化してしまうものがあるというのは先ほども述べた通りです。
「〇」判定だったスマホが「×」となってしまうのには以下の理由が考えられます。
- 不正な契約が判明した
- 紛失保証サービスが悪用された
たとえば前所有者がスマホを販売した後にキャリアへ紛失報告をし、端末補償サービスを受けると、購入した中古品は紛失したスマホということになり赤ロムとなります。
製造番号を確認していてもこのパターンは防ぐことができないので、赤ロム保証の大切さがわかりますね。
万が一赤ロムを買ってしまったら?
一度赤ロムになってしまいロックのかかった端末を白ロムに戻すことはできません。
もし購入した端末が赤ロムだった場合はどうすればいいのでしょうか。
販売店へもっていき交換してもらう
赤ロム保証のある販売店で購入した場合は、交換もしくは返金してもらうことが可能です。
基本的に保証に対応している販売店では赤ロムに当たってしまったとしても、ノーダメージなので安心できます。
SIMロックが解除されていれば別キャリアのSIMを契約
赤ロム保証をしていない販売店や、オークションで購入してしまった場合には交換、返品対応を受けることはできません。
しかし赤ロムであっても、端末に規制をかけた回線以外のSIMであれば挿して使うことができます。
Softbankから規制を受けロックが掛けられた端末は、SoftbankのSIM及びSoftbank回線の格安SIMを利用することはできませんが、auのSIMを挿しau回線の利用はできる、ということですね。
しかしこの方法は端末のSIMロックが解除されていなければなりません。
もしSIMロックがかかっている場合は他回線のSIMであっても使えないので注意しましょう。
両方だめならWiFiやテザリングで使うしかない
赤ロム保証も受けられず、SIMロックもかかっていて他回線も使えない端末は残念ながらSIMでの通信は不可能です。
しかしSIMが入っていなくても、WiFi環境下であったり他端末からテザリングしてもらえるのであればネット通信をすることができます。
SIMに登録された電話番号を持たないため、SMSや通話通信などの一部サービスは利用できませんが、ネットのみを使うのであれば使用上大きな問題はありません。
SIMなしスマホとポケットWiFi・WiMAXの組み合わせて利用するのはどう?料金やちょっと不便なことまとめ
ただし、赤ロムを使い続けることはおすすめしません。リスクもあるため次の項目をよく読んでおきましょう。
赤ロムは携帯電話不正利用防止法、遺失物横領罪などに抵触する恐れがある
まず赤ロムは基本的に売買してはいけないものであるということを知っておかなければなりません。
スマホなどの端末は契約者以外の利用を原則禁じられているため、譲渡などをする際はきちんとした契約を交わす必要があります。
料金に残債がある場合、前所有者はキャリアと契約中の状態にあるため、勝手に売買すると携帯電話防止法違反となってしまう恐れが生じます。
以下の行為を行った場合には、本法に従い罰せられることがありますので、ご注意ください。
- 携帯電話等の契約時(レンタルの場合も含む)に、虚偽の氏名、住居又は生年月日を申告すること
- 自己名義の携帯電話等(SIMカードも含む)を携帯電話事業者に無断で譲渡すること
- 他人名義の携帯電話等(SIMカードも含む)を譲渡する又は譲り受けること
(引用:総務省携帯電話不正利用防止法)
さらに購入した中古スマホが盗品、紛失品であった場合、入手経路をきちんと明示できないと遺失物横領罪となる可能性も。
赤ロムは購入しないようにする、万一購入してしまった場合も残念ですが使用しない方がいいですね。
結論:中古端末を購入するときは赤ロムに注意!保障のある販売店での購入がおすすめ。通販では必ず利用制限を確認しよう
スマホなどの中古品はSIMを挿して利用できる「白ロム」とキャリアによってロックが掛けられた「赤ロム」があります。
赤ロムは盗品、紛失品であったり、代金未納の端末のため確実に「白ロム」を購入できるようにしなければなりません。
赤ロムを防ぐ方法は以下の通り。
- 製造番号(IMEI)を確認する(利用制限検索サイトで可能)
- 赤ロム保証のある販売店で買う
- オークションでは保証書や箱がついているものを買う
- 相場や出品者情報、商品情報を確認する
IMEIを確認していても、不正な手段により途中で赤ロムに変化してしまう場合もあります。
その場合、オークションや通販サイトで購入したものは防ぐのが難しいため、赤ロム保証のある販売店で購入するのが最も安心です。