2020年に北九州市立大学生生活協同組合が行った「北九大生まるごとアンケート」によると、オンライン授業を受けた際のインターネット環境は、約9割近くが固定回線を使ったものでした。
(引用:北九州市立大学生生活協同組合)
一方でわずかではありますが8.2%がポケットWiFiなどのモバイルルーターを、1%がスマホのテザリングで、2%がスマホで受講していました。
また、自宅でオンライン授業を受けた時のネット環境については、35.1%が「全く支障なし」、41.8%が「ほぼ支障なし」、20.8%が「やや支障があった」、2.3%が「非常に支障があった」と回答。
この結果からは、光回線やポケットWiFiなどを使って授業に臨んだものの、オンライン授業を受けるための環境が整っておらず苦労した学生が四分の一近くいたことが読み取れます。
実際に、一人暮らしでは速度が遅い無料インターネットしかない人、光回線の工事を申し込んだのに開通はずっと先になってしまった人など、各大学や地域ごとに様々なケースがあるようです。
しかしいつまで続くか分からないこの状況を考えると、確実に単位を取得していくためにも、できるだけ通信に支障のない手段を選ぶようにしたいですね。
そこで本記事では、オンライン授業を受けるにあたって準備しておくべきなのはどのインターネット環境なのかについて、利用者の多かった固定回線(光回線)とポケットWiFiの両面から解説していきます。
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オンライン授業を受けるならポケットWiFi?それとも光回線?
オンライン授業を受けるにあたって、インターネットの工事が間に合いそうになかったり、そもそも工事ができない建物であった場合は、ポケットWiFiやホームルーターを使うことになるでしょう。
ポケットWiFiとは、持ち運ぶことのできるインターネット端末です。データ通信専用で電話のできないスマホのようなものです。
一方、光ファイバーや電話回線を使って通信をするのが固定回線で、最近では総称して「光回線」と呼ぶこともあります。
ポケットWiFiと光回線、両者の違いはどのような点にあるのでしょうか。料金や速度、容量などの項目で比較していきましょう。
ポケットWiFi | 光回線 | |
料金 (税込) |
3,000円 ~4,500円 |
3,000円 ~6,000円 |
速度 | 1Mbps ~100Mbps |
1Mbps ~300Mbps |
容量 | ~200GB or 1日3GB~7GB |
無制限 ※ |
通信の安定性 | △ | ○ |
授業を受ける場所 | ○ | △ |
※1日あたりの通信量に上限を設けている光回線もある
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料金
ポケットWiFiや光回線はいずれも、2,000円台で使えるものもあれば、4,000円以上かかるものまであり、一概に比べるものではありません。
しかし料金の平均で考えるなら、ポケットWiFiのほうが比較的安価で利用できます。
ポケットWiFi | 光回線 | |
料金 (税込) |
3,000円 ~4,500円 |
3,000円 ~6,000円 |
光回線は建物タイプや契約先によって工事費や回線撤去費用が自己負担となるケースもあります。
ですから、とにかく安くて手っ取り早くネット環境を手に入れるならポケットWiFiが良いでしょう。
速度
料金はもちろん気にするとしても、オンライン授業を受けるにあたって肝心なのは速度です。
十分な速度が出ないネット環境だと、急に画面がフリーズしたり、逆にこちらの映像が届かなくなったりしてしまい、授業を満足に受けることは難しいです。
オンライン授業中にネットの調子悪くなってほぼ授業聞けてない😂
今日の授業はこんな感じw
フリーズ→サイト落ちる→フリーズ
授業終了、、 (Twitter)
オンライン授業を受けるなら、最低でも10Mbps(Mbpsは通信速度の単位)程度はほしいですね。
ポケットWiFiと光回線で比べると多くの場合、速度が出やすいのは光回線です。
ポケットWiFi | 光回線 | |
速度の目安 | 1Mbps ~100Mbps |
1Mbps ~200Mbps |
5Gに対応したポケットWiFiも出ているのですが、まだ全国的に使えるわけでもありません。
それに部屋まで有線で繋がっている光回線とは違ってポケットWiFiは、基地局から飛んでいるWiMAX+2や4G LTEの電波をキャッチして通信をします。ポケットWiFiと光回線で速度に差が出るのは当然です。
しかし光回線であっても、建物の共有部から部屋までの間に電話線や有線LANが使われていると、いくらいい機器を用意したとしても最大速度は100Mbpsに留まります。
一般的には光回線のほうが速度は出ますが、マンションの通信環境によっては、ポケットWiFiのほうが実は早い可能性もあるので、ここは十分に検討したいところです。
容量
オンライン授業を受けるにあたってもう一つ特に気を付けておかなければけないのは、月(もしくは日)に使える容量がどれほどあるかという点です。
例えばZoomだと、1時間あたり200MBから500MBの容量を消費します。
やばいオンライン授業受けてるとゴリゴリギガが減る (Twitter)
つまり1日4コマ(1.5h)あった場合は、1日で1GBから3GBもギガを使ってしまうわけです。
ポケットWiFi | 光回線 | |
容量 | 10GB ~200GB |
無制限 ※ |
※1日あたりの通信量に上限を設けている光回線もある
平日が月に20日あるなら3GB×20日で、最低でも60GBは必要ということになります。
しかし、授業以外にもレポートに使う資料探し、オンライン飲み会や友達との電話、YouTube視聴などWi-Fiを繋げたい場面は案外多いものです。
学業以外の時間も使うことを考えると、100GBでも足りるかどうかすら怪しくなります。
それに比べて光回線は、基本的にデータ通信は無制限です。
1日あたりに使える通信量(ギガ)を定めている光回線もありますが、ポケットWiFiほど上限を気にしてびくびく使う必要もありません。
もしどうしても光回線が使えない場合は200GBまで使えるどこよりもWiFiを利用するなど、十分にネットが使える容量でポケットWiFiを利用するようにしてください。
通信の安定性
通信速度の遅さにも関係してくるのですが、通信の快適さには通信の安定性が大切です。
j:comネットにしたの真面目に後悔してるぞ、一日に何度も回線切れるし、そもそも遅い、今日なんてオンライン授業でテスト受けてる時に切れたからな?改善するために行動する必要があることが馬鹿らしいわ (Twitter)
通信の質が悪いと、回線が落ちたり、通信が途切れたりしてしまいます。
ポケットWiFi | 光回線 | |
通信の安定性 | △ | ○ |
そのため、無線の電波を掴んで通信をするポケットWiFiはどうしても不安定になりがちです。
光回線であればポケットWiFiほど振れ幅がなく、比較的安定した通信をすることができます。
ただし建物内で回線を共有して使っているような場合、利用が集中する時間帯になると光回線でも通信が不安定になることもあります。しかもこのケースは、無料インターネット物件に多いです。
戸数の多いマンションに住んでいるような場合は、無料インターネットが使えたとしても、ポケットWiFiや大容量まで使えるスマホプランを契約するなどして、「何かあった時の保険」をつくっておくことをおすすめします。
授業を受ける場所
オンライン授業は自宅で受けるという人がほとんどでしょう。
しかし、対面型の授業もあればオンライン授業もあるなど、1日のなかでコロコロと変わってしまう場合、自宅にいちいち帰っている時間すら無いこともあります。
それに大学構内の共用スペースで参加するとしても、席が埋まっていて使えないなんてことも珍しくありません。
大学でオンライン授業受けれそうな場所ない… どうしよ あんな静寂の室内で英語受けて英語喋ったりするの? わからんから今日は外で授業受けます (Twitter)
あったとしても、講義型でない限りは声を出さなければいけないような場面も出てきますよね。
ポケットWiFi | 光回線 | |
授業を受ける場所 | ○ | △ |
大学の外やカフェ、ファミレスなど自宅外でも使うならポケットWiFiがおすすめです。
フリーWiFiよりも通信や速度が安定していて、セキュリティ対策にもなります。
大学と自宅とが近い場合や、オンライン授業へ完全に切り替わるようであれば、自宅で光回線を使えるような環境を整えるようにしてください。
オンライン授業では思ったよりも通信量を消費する
オンライン授業を受けている間に心配になるのが、月に使える通信量(ギガ)ですよね。
常に通信を必要とする映像型の授業は、思っているよりも多く通信量を消費します。
代表的なものをいくつか載せましたので、ぜひ必要な容量を考える際の参考にしてください。
オンデマンド授業をダウンロード
ダウンロード型のオンライン授業は、あらかじめスマホやパソコンにダウンロードしておくことで、ネット環境が無くても見ることができます。
しかし、ダウンロードする時の通信量は、100MBから2GBになるため、50GBほどの少ないプランを契約している場合は、月末を迎える前に速度制限になる可能性も高いです。
(学生の負担になることから、大学側でも500MB以下になるよう周知されているところもある)
もしあまりにも容量が多い場合は大学構内でできるだけダウンロードを済ませるなど、自身のポケットWiFiやスマホの通信量を消費しない方法を取りましょう。
ZoomやGoogle Meetを使ったライブ配信方式の双方向性型授業
ZoomやGoogle Meetなどを使った双方向性型授業は、指導側と学生側、もしくは学生同士でコミュニケーションを進めながら授業ができるため、積極的に取り入れているところも多いです。
しかし、ZoomやGoogle Meet、Webexなど広く使われているツールは意外に通信量を消費します。
Zoomだと1時間あたりは200MBから500MB、Google Meetでは500MBから800MBほど。
ツール | ビデオ通話の通信量目安 (1時間あたり) |
Zoom | 200MB~500MB |
Google Meet | 500MB~800MB |
Microsft Teams | 600MB~700MB |
Cisco Webex Meeting | 400MB~800MB |
その他広く使われているTeamsやWebexも通信量は多いですよね。
いずれのツールを使った場合でも、1日3時間で計算すると、1か月で20GBから70GBは消費することになります。
通信量は、画面サイズや解像度を変更することで少なくすることもできるので、学業に支障のない範囲で取り組んでみてください。
オンライン授業でも活躍できるポケットWiFiはごく一部
安定した速度や通信で確実にオンライン授業を受けるなら、最もおすすめするのは光回線です。
しかし工事費が必要であったり、建物タイプによっては動画も再生できないくらい遅い回線だったりする場合もあり、必ずしも光回線のほうが良いというわけでもありません。
自宅が十分に通信できるエリア内で、ポケットWiFiを手に入れられる環境にあるなら、WiMAXもしくは大容量ポケットWiFiの利用を考えてみてください。
3日で10GB以上使っても速度制限は夜間帯だけのWiMAX
「~WiMAX」と名がつくものは、主にWiMAX2+(電波の種類の一つ)で通信をするタイプのポケットWiFiです。
WiMAXは「無制限」を謳っていますが、実際は3日間で10GB以上のギガを使った場合、翌日の18時から26時まで速度制限に掛かります。
これを逆手に取って考えると、速度制限が掛かるとしても18時までは通常通り使うことができるということです。
実際、筆者はテレワークでWiMAXを使っていましたが、仕事の間は通信に大きな支障なく快適に使えましたし、月末に容量が無くなって焦ることもなかったので良かったです。
WiMAXのなかでも学生に特におすすめのプロバイダを2つ紹介します。
GMOとくとくBB WiMAX
高額キャッシュバックのあるWiMAXとして有名なGMOとくとくBB WiMAX。
月額料金はやや割高ですが、契約後11か月目に届くメールから手続きを行うことで約30,000円前後のキャッシュバックをもらうことができます。
キャッシュバックをもらえれば、事務手数料を含めた実質月額料金は約月3,500円前後になるため、ポケットWiFiの中ではかなりお得な価格での契約が可能。少しでも安くWiMAXを利用したい大学生におすすめです。
なお、GMOとくとくBB WiMAXは親権者同意書の必要がない珍しいプロバイダです。
ただ申し込み後、GMO側から確認の電話が掛かってくることで「親の同意」を得ることになりますので、親にきちんと対応してもらえるようあらかじめ頼んでおきましょう。
Broad WiMAX
Broad WiMAXは毎年2月から5月にかけて学割キャンペーンを展開しています。
それ以外の時期でも、Broad WiMAXはおすすめです。
WiMAXの中では珍しく口座振替での支払いもできるプロバイダなので、19歳以上で親の同意書があれば未成年でも申し込みは可能となっています。
未成年者の場合、19歳以上であればご両親の同意書の確認をいただければお申し込み可能でございます。
(引用:broad WiMAX公式)
ただ、クレジットカード払いでのWEB登録といった条件から外れると、初期費用無料キャンペーンを利用した申し込みができません。
それだと料金的にかなり勿体ないので、できれば親にお願いして親名義での支払いやクレジットカード払いをお願いしてみましょう。
公式:Broad WiMAX
LTE通信のできる100GBや200GBの大容量ポケットWiFi
スマホでも使われているLTEを使って通信をするポケットWiFiのなかでも、100GB以上使える大容量ポケットWiFiが人気です。
契約期間の縛りなく使えるポケットWiFiもあるので、自分にあったものを色々と探してみましょう。
1位|GMOとくとくBBWiMAX
GMOとくとくBB WiMAX | |
月額料金 | ~2ヶ月:1,474円 ~36ヶ月:3,784円 37ヶ月~:4,444円 |
初期費用 | 3,300円 |
通信容量 | 上限無し |
キャッシュ バック |
23,000円 |
端末代 | 21,780円(605円×36回) |
契約期間 | 2年 |
少し前まではエリア・通信量の観点からおすすめできなかったWiMAXですが、現在は3日あたりの通信量上限も撤廃され制限なく利用できるようになったし、エリアもかなり拡大。さらにWiMAX圏外時のau回線利用が月7GBから月15GBにアップ(ハイプラスエリアモード)。通信速度面を考えてもベストな選択肢だと言えるでしょう。
そしてWiMAXの中でも特におすすめなのがGMOとくとくBB WiMAX。
月額料金自体が他のWiMAXに比べて安い上、高額キャッシュバックもあり。au回線を利用する為のハイプラスエリアモードオプションもずっと無料。
現在たくさんあるWiMAX代理店の中では最もお得だと言える商品です。
2位|ZEUS WiMAX
ZEUS WiMAX | |
月額料金 | ~2ヶ月:1,474円 ~36ヶ月:3,784円 37ヶ月~:4,708円 |
初期費用 | 3,300円 |
通信容量 | 上限無し |
キャッシュ バック |
21,780円 |
端末代 | 21,780円(605円×36回) |
契約期間 | 3年 |
WiMAXの中で、GMOなみにお得なのがZEUS WiMAX。
GMOとくとくBBWiMAXと違って端末を購入する必要がありますが(分割払いも可)、端末代と同額のキャッシュバックがあるので実質無料。
月額料金はWiMAXの中でも特に安いので、契約期間の3年間で総額料金を比較するとWiMAXの中ではトップクラスの安さでGMOとほぼ同等です。
3位|THE WiFi
THE WiFi | |
月額料金 | 3,828円(クラウドSIM) |
初期費用 | 3,300円 |
通信容量 | 100GB |
キャンペーン | 4ヶ月無料 |
端末代 | 0円(返却要) |
契約期間 | 2年契約 |
※税込表記
クラウドSIM型で最もおすすめなのが、THE WiFi。月額料金が3,818円と他から見ても安い上、現在は最初の4カ月間が無料というキャンペーンを行っている為、契約期間(2年)の実質月額料金が3,281円と最も安く利用できるようになっているのが特徴です。
WiMAXはやっぱりエリア面で不安、よく使う場所が地下やビルの中といった人やそこまで速度は気にせず動画を快適に見ることができれば十分だから安い方が良いという場合はこのTHE WiFiを選ぶのがおすすめです。
4位|MUGENWiFi
MUGENWiFi |
|
月額料金 |
3,718円 |
初期費用 | 3,300円 |
通信容量 | 100GB |
キャッシュ バック |
10,000円 |
端末代 | 0円(返却要) |
契約期間 |
2年 |
※税込表記
クラウドSIM型で次におすすめなのがMUGEN WiFi。
月額料金がもともと3,718円と安く、14ヶ月目と23カ月目に届くメールに申請をすることで、各5,000円ずつ、合計10,000円のキャッシュバックを受けとることができます。つまり、実質月額3,438円で使えるというわけです。
2年契約が基本となっていますが、解約金は3,300円、2年以降であれば違約金なしでいつでも解約可能であるというのも、ありがたいメリットの一つです。
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オンライン授業はいつまで続くか分からないから光回線がおすすめ
授業によっては対面型を継続したり、いきなりオンライン授業に切り替わったりして、しばらくの間は振り回されることになるでしょう。
2020年度のように、数ヶ月にわたってオンライン授業を強いられる可能性もあります。
そう考えると、一時的なネット環境というよりも、少しでも安定した通信を確保しておいたほうが良いでしょう。
自分でネット契約が必要な場合は、スマホのセット割を適用したり、容量に応じて料金が抑えられる光回線を契約することをおすすめします。
使ってるスマホで選ぶ
セットで使うとスマホ代が毎月最大1,100円/1回線割引
【まとめ】オンライン授業は通信の質が大切!
オンライン授業のほうが楽という人もいれば、早く友達と顔を合わせて話をしたいという人もいます。
しかし今後数年の間は、頻繁にオンライン授業への参加を求められることが多くなるでしょう。
オンラインでやる限りは、オンライン授業に耐えうるネット環境を整えたうえで、単位取得に向けて勉学あるのみです。
重要なポイントを聞き逃さず、オンラインで周囲の学生と円滑に会話をするためにも、必要なネット環境は早めに準備しておき、万が一の場合にも対応できるように第二の手段を用意して対応するようにしてください。