enひかりは株式会社縁人が運営している光回線サービスです。NTTのフレッツ光の回線を使用している光コラボ事業者なので、通信品質や速度に定評があります。
しかも、月額料金が業界最安クラスであるだけではなく、光回線としては珍しく契約期間の縛りがないため、サービス面でも優れた回線です。
そんなenひかりですが、新たに通信速度10Gbpsの料金プラン「enひかりクロス」の提供が始まりました。今までのプランより格段に高速なインターネットを楽しめます。
もちろん、月額料金が割安であることや、契約期間の縛りがないという特徴はそのままです。
本記事では、enひかりで開始した「enひかりクロス」について、月額料金や提供エリア、メリットやデメリットなどについて詳しく解説します。
enひかりから10Gbpsサービス「enひかりクロス」開始!
enひかりクロスは、enひかりの高速通信プランです。
最大10Gbpsの通信速度でインターネットを使用できます。
「Gbps」とは通信速度の単位で、1秒間にどれだけのデータ量を通信できるかを示すものです。数値が高いほど高速な通信ができるということになります。
現在主流となっている光回線は1Gbpsなので、enひかりクロスではその10倍もの速度でインターネットに接続できるということです。
プラン | ベストエフォート |
enひかり (通常プラン) |
1Gbps |
enひかりクロス (10Gbpsプラン) |
10Gbps |
ただし、回線事業者が表示している通信速度は「ベストエフォート(理論値)」表記のため、必ずしも10Gbpsの速度で通信できるわけではありません。
とはいえ、従来のプランより大幅に速くなっていることには違いないので、これまでよりもネットを快適に使えるようになるはずです。
enひかりクロスも通常プランと同じく光コラボなので、使用する光回線はNTTフレッツ光の10Gbpsプラン「フレッツ光クロス」と同じものになります。
そのため、光回線の仕様はフレッツ光クロスと同等ですが、enひかりクロスでは月額料金が大幅に安くなっていることが大きな魅力です。
そんなenひかりクロスについて、まずは対応エリアと月額料金など、重要なポイントを確認していきましょう。
公式:enひかり
enひかりクロスのエリア|東京・大阪・愛知県の一部地域
enひかりクロスの対応エリアはフレッツ光クロスと同じです。まだ全国的には対応しておらず、利用できるエリアは下記のように限られています。
都道府県 | 地域 |
東京都 | 葛飾区、江戸川区、杉並区、世田谷区、 足立区、大田区、板橋区、練馬区、 目黒区、中野区、品川区、北区、 江東区、渋谷区、新宿区、文京区、 豊島区、墨田区、狛江市、調布市、三鷹市 (各一部地域) |
大阪府 | 大阪市 (一部地域) |
愛知県 | 名古屋市 (一部地域) |
これから対応エリアは拡大される予定ですが、現時点では日本国内の大半の地域で利用できません。
西日本在住の場合はNURO光やeo光など、独自回線で10ギガプランを提供している光回線の方が対応エリアが広いので、そちらの方も検討してみましょう。
また、enひかりクロスは戸建てタイプのみの提供で、現時点ではマンションタイプに対応していません。集合住宅在住の人は契約できないので注意が必要です。
enひかりクロスの料金|月額6,468円でレンタルルータは別途月550円
enひかりクロスの月額料金は6,468円です。ただし、10Gbpsの通信速度でネットを使うためには、10ギガ対応のWiFiルーターが必要になります。
ルーターはenひかりクロスでレンタルすることもできますが、その場合は月額550円の費用が別途必要です。
enひかりは最大10Gbpsの高速通信を行う必要があるので、混雑を避けて高速に通信できる「IPv6(IPoE)」と「IPv4 over IPv6」という接続方式に対応しています。
しかし、この高速通信方式にはいくつかのタイプがあり、代表的なものが「v6プラス」「transix」というものです。
いずれの接続方式も料金プランに含まれている標準装備なので、追加料金は支払う必要はありません。
enひかりクロスのメリット
enひかりクロスには次の2つのメリットがあります。
- 他社と比べて月額料金が安い
- 契約期間の縛りや違約金がない
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
最大10Gbpsが使えて月額料金6,468円は安い
enひかりは月額料金が安い光回線として有名ですが、10ギガ対応のenひかりクロスでもその特徴は受け継がれています。
enひかりクロスの月額料金は、最大10Gbpsという高速通信が使えるにも関わらず、月額料金は6,468円。同じく10ギガに対応している他社のプランと比較してみましょう。
光回線 | 月額料金 | 契約期間 | 詳細 |
enひかり クロス |
6,468円 | なし | 詳細 |
ドコモ光 | 6,930円~7,150円 (8,580円~8,800円) |
2年 | 詳細 |
NURO光 | 6,317円 | 3年 | 詳細 |
auひかり | 6,468円 | 3年 | 詳細 |
税込表記
※( )内の金額は、契約期間なしで契約した場合のもの
上記のように比較してみると、enひかりクロスが目立って安いようには見えません。
しかし、enひかりは定期契約で申し込んだ場合の他社と同等の金額を実現しています。
最新の10ギガプランを他社と同等の料金で利用できて、しかも契約期間がないというのはenひかりクロスのメリットです。
ただ、enひかりクロスは、対応エリアがNURO光やauひかりより狭い点には注意してください。
10Gbpsプランなのに契約期間の縛りなし!
enひかりクロスでは、通常プラン同様に契約期間の縛りがありません。そのため、いつ解約しても違約金を請求されることがないので安心です。
他社の光回線の10ギガプランでは2~3年間の契約期間が設定されているため、契約の更新期間以外で解約すると、11,000円~22,000円の違約金を請求されてしまいます。
関連:契約期間縛りなしの光回線6社を徹底比較!料金・工事費・スマホセット割・IPv6接続を比べておすすめできるサービスはどれ?
enひかりクロスの注意点
enひかりクロスには次の2つの注意点があるので、契約の際はあらかじめ確認しておくようにしましょう。
- 現時点では「transix」対応プランを申し込めない
- 高速通信を行うために10ギガ対応ルーターとLANケーブルが必要
それぞれの注意点について分かりやすく解説します。
申し込みができるのはenひかりクロス with v6プラスのみでtransixは調整中
enひかりクロスでは、「enひかりクロス with v6プラス(MAP-E)」と「enひかりクロス with transix(DS-Lite)」という、2つのプランが提供されています。
しかし、現在申し込めるのは「v6プラス(MAP-E)」だけで、「transix(DS-Lite)」の方は調整中です。
v6プラスとtransixにはいくつか違いがあるので、念のため重要なところをまとめておきましょう。
v6プラス | transix | |
通信方式 | IPv6 IPoE+ IPv4 over IPv6 |
|
技術企画 | MAP-E | DS-Lite |
IPアドレス 割当 |
自社の ルーター側 |
事業者側 |
ポート開放の 可否 |
〇 | 〇 |
詳細は難しくなってしまうので割愛しますが、一般的な使用目的からすると、使い勝手が良いのは「v6プラス」の方です。
「IPアドレス」というオンライン上の住所のようなものを、v6プラスでは自宅のルーター側で、transixでは事業者側で割り当てます。
この違いから、transixでは「ポート開放(ポート転送設定)」を行うことができず、一部のサービスを利用することができません。
特に、オンラインゲームではポート開放が必要になることがあるので、transixよりもv6プラスを選んでおく方が安心です。
enひかりクロスでは現在v6プラスしか選べませんが、基本的にはそれほどデメリットを感じることはないでしょう。
最大10Gbpsの速度のためには高スペックなWiFiルーターと有線LANが必要
最大10Gbpsの高速通信を行うためには、10Gbpsの通信速度に対応したハイスペックなWiFiルーターと、新しい有線LANケーブルが必要です。
10GBASE-Tに対応しているルーターを用意
旧式のルーターや有線ケーブルのままだと、せっかくenひかりクロスを契約しても通信速度が最大1Gbpsに制限されてしまいます。
もしルーターの有線LAN規格が「10GBASE-T」ではない場合は、10GBASE-Tに対応しているルーターに買い替えないといけません。
有線LAN 規格 |
最大通信 速度 |
100BASE-T | 100MBps |
100BASE-T | 1,000Mbps |
2.5GBASE-T | 2.5Gbps |
5GBASE-T | 5Gbps |
10GBASE-T | 10Gbps |
enひかりクロスを契約する際は10GBASE-T対応のルーターを用意しておきましょう。
自前で用意するのが面倒な場合は、enひかりクロスでWiFiルーターをレンタルすることもできます。
レンタル費用は月額550円と安くありませんが、レンタルできる機器はNTTの「XG-100NE」で、品質や性能などに定評があるルーターなので安心です。
有線LAN規格はCAT6AもしくはCAT7を利用
また、有線LANケーブルの規格も重要になります。ルーターが新しくてもLANケーブルが古ければ、やはり高速通信を行うことができません。
LANケーブルはルーターと端末を有線接続するための単純なケーブルですが、実は下記のようにいろいろな規格があります。
通信 速度 |
伝送 帯域 |
対ノイズ 性能 |
|
CAT5e | 1Gbps | 100MHz | × |
CAT6 | 1Gbps | 250MHz | × |
CAT6A | 10Gbps | 500MHz | 〇 |
CAT7 | 10Gbps | 600MHz | ◎ |
LANケーブルの側面には規格が記載されているので確認してみましょう。もし「CAT6A」未満の規格なら買い替える必要があります。
ただし、「CAT6」にすると最大1Gbpsになってしまうので、必ず後ろに「A」がついた「CAT6A」、もしくは「CAT7」を選ぶようにしましょう。
通信速度を重視する場合は、フラットタイプや極薄タイプのケーブルではなく、少し太めのケーブルにする方がノイズの影響を受けにくいのでおすすめです。
enひかりクロスを契約する場合は、周辺機器の規格にも注意する必要があるというのは、少し面倒なところかもしれません。
まとめ|enひかりクロスは縛りのない10Gbpsプラン
enひかりクロスは最大10Gbpsの高速通信ができる最新のプランですが、他社と比べると月額料金が安いことが特徴です。
しかも、契約期間の縛りがなくいつ解約しても違約金が掛かりません。
ただし、enひかりクロスは東京・大阪・愛知県のごく一部の地域しか利用できないことや、10ギガ対応の周辺機器を揃えないといけないことに注意が必要です。
公式:enひかり
居住地が対応エリアに対応していない場合は、NURO光やauひかり、eo光なども検討してみましょう。