フレッツ光クロスは、「10Gbps」で通信できる、光回線サービス。
従来の光回線よりも圧倒的に速い通信速度で、大容量のデータのやり取りも快適に利用できます。
ただフレッツ光クラスにはいくつかデメリットがあるので注意しなければなりません。
本記事では、フレッツ光の特徴や料金、他社の10Gbp対応の光回線について詳しく解説します。
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フレッツ光クロスとは
フレッツ光クロスは以下の特徴を持った光回線サービスです。
- 最大10Gbpsの速度に対応したNTT回線の高速通信サービス
- 月額料金は戸建てもマンションも一律で同料金
- 提供エリアは一部地域
フレッツ光や光コラボの通信速度は最大1Gbps、高速通信を謳うNURO光でも最大2Gbps。
それに対し、フレッツ光クロスは上り下りともに10Gbpsと従来の光回線の5〜10倍もの高速通信が可能です。
現在は戸建てだけではなくマンション等集合住宅(※1)でも対応しているものの、エリアはかなり限定的で、フレッツ光が使えるエリア全てで使えるわけではありません(エリアの詳細については後述)
※1:10Gbpsにマンションが対応している場合のみ利用可
フレッツ光クロスの料金や提供エリア、対応プロバイダ
ではここからはフレッツ光クロスの料金や提供エリアなど、詳細を解説します。
フレッツ光クロスの料金やフレッツ光との料金差
フレッツ光クロス | フレッツ光ネクスト | ||
回線速度 | 10Gbps | 1Gbps | |
月額料金 ※1 |
戸建て | 東日本:6,050円 西日本:6,930円 |
5,940円 |
マンション | 東日本:6,050円 西日本:6,930円 |
3,355円 | |
2年割引後 月額料金 |
戸建て | 東日本:6,050円 西日本:5,730円 |
5,170円 |
マンション | 東日本:6,050円 西日本:5,730円 |
3,245円 | |
ルーターレンタル | 550円 | 550円 | |
工事費 | 戸建て | 19,800円 | 19,800円 |
マンション | 16,500円 | 16,500円 |
※1:プロバイダ料が別途発生(1,000円程度)
通常の光回線は戸建てとマンションで料金が異なりますが、フレッツ光クロスは戸建てもマンションも同じ料金です。
また月額料金は1Gbpsタイプに比べると戸建てタイプで1,000円、マンション対応では2,500円程度高くなります。
なおプロバイダ料が別途発生するので、実際に支払う月額料金はさらに1,000円程度高くなります。
フレッツ光クロスの提供エリア
フレッツ光クロスは徐々にエリアが拡大しており、現在は以下が提供エリアとなっています。
都道府県 | 10ギガ提供エリア | |
NTT 東日本 エリア |
東京都 | 23区、狛江市、調布市、 三鷹市、府中市、稲城市、 羽村市、国分寺市、小金井市、 小平市、昭島市、清瀬市、 西東京市、多摩市、東久留米市、 東村山市、東大和市、武蔵村山市、 武蔵野市、福生市、立川市、 あきる野市、国立市、青梅市、 町田市、日野市、八王子市、 西多摩郡瑞穂町 |
神奈川県 | 横浜市、川崎市、伊勢原市、 茅ケ崎市、逗子市、 足柄上郡松田町、中郡二宮町、 相模原市、綾瀬市、横須賀市、 海老名市、鎌倉市、厚木市、 座間市、小田原市、秦野市、 大和市、藤沢市、平塚市、 高座郡寒川町、足柄上郡開成町、 足柄上郡大井町、足柄上郡中井町、 中郡大磯町 |
|
千葉県 | 千葉市、市川市、習志野市、 松戸市、白井市、浦安市、 鎌ヶ谷市、市原市、成田市、 船橋市、袖ケ浦市、大網白里市、 東金市、八街市、木更津市、 流山市、柏市、茂原市、八千代市、 四街道市、君津市、銚子市、 旭市、印西市、我孫子市、 鴨川市、佐倉市、山武市、 富里市、野田市 |
|
埼玉県 | さいたま市、ふじみ野市、狭山市、 坂戸市、志木市、新座市、 草加市、鶴ヶ島市、富士見市、 北本市、和光市、蕨市、 秩父郡横瀬町、南埼玉郡宮代町、 入間郡三芳町、飯能市、本庄市、 三郷市、羽生市、越谷市、桶川市、 加須市、吉川市、久喜市、熊谷市、 戸田市、幸手市、行田市、鴻巣市、 春日部市、所沢市、上尾市、 深谷市、川越市、川口市、秩父市、 朝霞市、東松山市、日高市、 入間市、八潮市、蓮田市、白岡市、 児玉郡神川町、秩父郡小鹿野町、 比企郡滑川町、北葛飾郡杉戸町、 北足立郡伊奈町 |
|
NTT 西日本 エリア |
大阪府 | 大阪市、東大阪市、八尾市、 松原市、藤井寺市、豊中市、 堺市、茨木市、吹田市、 大東市、門真市 |
和歌山県 | 和歌山市 (戸建てのみ) |
|
京都府 | 京都市、長岡京市、向日市 | |
滋賀県 | 草津市、彦根市 (戸建てのみ) |
|
兵庫県 | 加古川市、伊丹市 (戸建てのみ) |
|
愛知県 | 名古屋市、岡崎市、豊川市、 刈谷市、江南市、小牧市、津島市、 春日井市、北名古屋市、半田市、 瀬戸市、大府市、豊橋市 |
|
静岡県 | 藤枝市、袋井市、富士宮市、 三島市、浜松市、焼津市、 磐田市 |
|
岐阜県 | 美濃加茂市、岐阜市 |
ただし提供エリアは上記に掲載している都市のあくまで一部である為、該当していても利用できない場合があります。
詳細の提供エリアは先程と同様、以下のエリア検索で確認することができます。
10ギガに対応している場合はそのように表示されるので、利用したい人はおこなってみてください。
- 東日本・・・フレッツ光東日本エリア検索
- 西日本・・・フレッツ光西日本エリア検索
フレッツ光クロスの対応おすすめプロバイダ、選び方
通常(1Gbps)のプロバイダは100社以上から選ぶことが可能ですが、フレッツ光クロスはかなり限られます。
- @nifty
- ASAHIネット
- ぷらら
- IIJ IPv6 FiberAccess
- enひかり他
使えるプロバイダは地域によって異なり、また戸建てかマンションかでも異なります。
各地域の対象プロバイダは以下から調べることが可能です。
- 東日本・・・フレッツ光クロスプロバイダ検索
- 西日本・・・フレッツ光クロスプロバイダ検索
ちなみにおすすめは@nifty。どの地域でも、戸建て・マンションともに利用可能で、フレッツ光でも人気の高いプロバイダなので安心して利用できます。
フレッツ光クロスとフレッツ光や光コラボの1Gbpsプランを比較
フレッツ光クロスの最大通信速度は10Gbpsですが、これはあくまで理論的な数値。実際の通信速度とは大きく異なります。
平均的な実際の速度範囲は、以下の通りです。
フレッツ光 クロス |
フレッツ光 ドコモ光(1Gbps) ソフトバンク光(1Gbps) auひかり(1Gbps)等 |
||
最大通信速度 | 下り | 10Gbps | 1Gbps |
上り | 10Gbps | 1Gbps | |
実際の速度 | 下り | 800Mbps〜 4Gbps |
100Mbps〜 400Mbps |
上り | 800Mbps〜 4Gbps |
100Mbps〜 400Mbps |
|
Ping値 | 7〜15ms | 10〜30ms |
1Gbpsの光回線に比べると、下り・上りともに通信速度は非常に速いです。
ただし場合によってはこの範囲を超えることもあります。ただそれでもどんなネットサービスでも快適に使えるくらいの速度はでるでしょう。
また、オンラインゲームで重要となるPing値もかなり優秀な数値となっています。
他社の10Gbpsプランと比較
ではここからは、フレッツ光クロス以外の10Gbpsプランとの比較を見ていきましょう。
なお料金は2年割等を利用した場合の料金で、フレッツ光クロスはプロバイダ料として1,000円加えた料金です(それ以外の光回線は元からプロバイダ料込み)。
※表は横スクロールできます。
フレッツ光 クロス |
ドコモ光 | ソフトバンク光 | auひかり | NURO光 | |
種類 | フレッツ光 | 光コラボ | 光コラボ | 独自回線 | 独自回線 |
対応建物 | 戸建 マンション |
戸建 マンション |
戸建 マンション |
戸建のみ | 戸建のみ |
月額料金 | 東日本:7,050円 西日本:6,730円 |
6,380円 | 〜12ヶ月:5,720円 〜13ヶ月:6,380円 |
1年目:6,468円 2年目:6,358円 3年目:6,248円 4年目〜:6,798円 |
5,700円 |
工事費 | 戸建:19,800円 マンション:16,500円 |
実質無料 | 実質無料 | 実質無料 | 実質無料 |
ルーター レンタル費 |
550円 | 550円 | 550円 | 550円 | 550円 |
キャッシュ バック |
0円 | 最大10,000円 | 最大65,800円 | 最大72,000円 | 45,000円 |
光電話 | 550円 | 550円 | 513円 | 550円 | 550円 |
見てわかるよう、フレッツ光の料金は高いです。さらにキャッシュバックがなく、工事費もかかります。
他にも電力系光回線は10Gbpsプランがあるところもあり、関西地方ならeo光、東海地方ならコミュファ光があるので、対象エリアの人はチェックしてみてください。
フレッツ光クロスのメリット・デメリット
続いてフレッツ光クロスのメリット、デメリットをまとめます。
フレッツ光クロスのメリット
まずはメリットからです。
- 通信速度の実測値が1〜2Gbps程度でる
- Ping値が低い
通信速度の実測値が1〜2Gbpsでる
フレッツ光クロスのメリットはなんと言ってもやはり通信速度の速さ。1〜2Gbpsは普通にでます。
一般的に必要な通信速度の目安は以下の通りです。
- LINE:~1Mbps
- SNS、サイト閲覧:〜3Mbps
- 動画視聴(標準画質):3Mbps
- 動画視聴(高画質):5Mbps
- 動画視聴(4K):25Mbps
- ゲーム:10~30Mbps
4K動画を視聴する場合でさえ25Mbpsですから、桁が違う速度がでており、当然快適に利用することができます。
4K動画視聴程度であれば最大通信速度1Gbpsの光回線でも問題なく利用できます。ただ、大容量データをダウンロード・アップロードする際には大きな差がでるでしょう。
Ping値が低い
フレッツ光クロスはPing値が低いのも大きなメリットの一つ。
Ping値はデータを送信し、それが送りかえされてくるまでにかかった時間、つまり通信のタイムラグを示す数値です。
動画視聴等であればあまり関係がない数値ですが、オンラインゲームでは非常に重要です。特にFPS等、反応速度が求められるゲームは数値の低さが求められます。
Ping値 | 速さ | 快適にプレイできるゲーム |
10〜20 | とても速い | 【FPS/TPS】PUBG/スプラトゥーン/スマブラ/FORTNITEなど |
21~30 | 速い | 【MOBA/RTS】LOL/DOTA/GTA |
31~50 | ふつう | 【RPG】FF14/ラグナロクオンライン/モンハン |
51~100 | 遅い | 【TCGなど】Shadowverse/囲碁/将棋 |
フレッツ光クロスはFPSも全く問題ない数値がでる、プロゲーマー向けの光回線です。
フレッツ光クロスのデメリット
一方でフレッツ光クロスには以下のデメリットがあります。
料金が高い、10Gbpsプランならドコモ光やソフトバンク光の方が安い
まずは料金の高さ。1Gbpsのフレッツ光との料金差を紹介しましたが、そもそもフレッツ光自体が光コラボ(ドコモ光やソフトバンク光など)よりも高いです。
フレッツ光クロスと光コラボの料金を比べると、戸建てタイプは1,500円程度、マンションタイプだと3,000円近くにもなります。
また、他社の10Gbpsプランと比較してもフレッツ光クロスの料金は高いです。もし10Gbpsが必要なら、光コラボなど他の光回線を使った方が安くすみます(他社との比較は後述)。
フレッツ光や光コラボから移行する場合も工事費が発生する
フレッツ光から光コラボの乗り換える場合や、光コラボ同士で事業者変更する場合は工事費がかかりません。
またドコモ光、ソフトバンク光、auひかりは新規開通時も工事費が無料になる特典があります。
しかしフレッツ光クロスの場合はたとえ現在フレッツ光や光コラボを利用してたり、すでに自宅に光コンセントがある場合でも工事が必要となり、工事費もかかってしまいます(戸建:19,800円、マンション:16,500円 )。
キャッシュバックや工事費無料などの特典がない
光コラボなどの10Gbpsプランには、新規契約時に高額キャッシュバックや工事費無料といった特典がついてきます。
一方でフレッツ光クロスにはそれがありません。
そもそも月額料金が高い為、コスパとしては非常に悪いです。
相応の機器が必要で高くつく
10Gbpsのフレッツ光クロスの通信速度を発揮するためには、ルーターやケーブル、ハブなどで相応のスペックを持った機器が必要です。
スペックが高い分、当然費用も高くなります。
また4K動画を見るためには、4K動画に対応したモニターやテレビなども必要だったりと、端末自体も通信速度をいかす為に用意しなければなりません。
そもそも光回線の10Gbpsは必要?おすすめできる人、おすすめできない人
フレッツ光クロスに限らず、ドコモ光、ソフトバンク光、auひかりなどでも10Gbpsのプランがあり、通信速度は通常のプランに比べて圧倒的に速いです。
ただ通信速度は速ければ速いほど良いわけではありません。どのような使い方をするかによって、10Gbpsは過剰スペックとなってしまってただ毎月高い月額料金を支払うことになってしまいかねません。
ほとんどの人は10Gbpsのプランは不要、1Gbpsで十分
正直、10Gbpsのプランはほとんどの人にとって過剰スペック。わざわざ使う必要はなく、はっきり言って1Gbpsのぷらんで十分です。
最大通信速度1Gbpsでほとんどのサービスが快適に利用できる
一般的に必要な通信速度の目安は以下の通りです。
- LINE:~1Mbps
- SNS、サイト閲覧:〜3Mbps
- 動画視聴(標準画質):3Mbps
- 動画視聴(高画質):5Mbps
- 動画視聴(4K):25Mbps
- ゲーム:10~30Mbps
4K動画を見る場合ですら、25Mbpsあれば十分。通常プラン(最大通信速度1Gbps)でも100〜400Mbpsでるわけですから十分なのはわかりますよね。
複数人で同時に同じ光回線を使うと、データ量が多くなる分通信速度は遅くなります。ただそれでも使い勝手が悪くなるほどまで速度が落ちることは基本的にありません。
実測値で1〜2Gbps出る10Gbpsプランをわざわざ使っても、使い勝手に差はないのです。
1Gbpsで遅いと感じた場合は他の原因を探った方が良い
光回線を使っているのに速度が30Mbps以下の速度しか出ないなど、現在使っている光回線で通信速度が遅いといった場合は、10Gbpsのプランに変えるのではなく違う要因を検討した方が良いです。
原因としてはルーターなどの機器が古い、マンションタイプで回線速度が最大100Mbpsに制限されている、マンション内の回線が混雑している、遅いプロバイダを使っているといったことが考えられます。
回線混雑が原因の場合でも、iPv6対応の光回線を利用すれば速度が改善できる可能性が高いです。
速度の調べ方や改善方法は以下の記事を参考にしてみてください。
10Gbpsのプランが必要な人
逆に10Gbpsがおすすめできる人ももちろんいます。
- 大容量データのダウンロード・アップロードを頻繁に行う人
- FPS等の反応速度が求められるオンラインゲームをやり込んでいる人
- 法人など大人数で同時に接続する場合
データのダウンロード、アップロードは通信速度が速ければ、その分完了するまでに時間も短くてすみます。
もしクラウドに頻繁にたくさんの写真や動画の保存したり、動画投稿のために動画をサイトにアップロードするといったことがあるなら10Gbpsプランによって快適性は上がるでしょう。
また10GbpsプランはPing値が低いというメリットもあります。通常の光回線でも基本的にはFPSをやっていてもそこまで困らないPing値は出ますが、プロやそれに準ずる人、またはやり込みたい人には10Gbpsプランのメリットを感じられるかもしれません。
最後に法人などで大人数で同時に接続する場合。社員の多い会社、コワーキングスペースやレンタルオフィスなどが挙げられますね。
光回線は同時に利用する端末が多ければ多いほど、そして一人あたりのやり取りするデータ量が多くなれば多くなるほどに通信速度は遅くなります。そういった場合はあらかじめ10Gbpsの光回線を導入しておくと快適性が損なわれることなく使うことができます。
まとめ:ほとんどの人に10Gbpsは過剰スペック、使う場合も料金が安い他社がおすすめ
フレッツ光クロスの概要と、他社の10Gbpsプランについて紹介しました。
東京や名古屋、大阪を中心に10Gbpsの対応エリアは広がっているものの、まだエリアが限定的です。そして何よりほとんどの人には過剰スペックとなってしまうので、万人におすすめできるものではありません。
もし現在通信速度に不満を感じているのであれば、まずはIPv6接続への切り替えやWiFiルーターの買い替え、プロバイダ変更や他社光コラボ等への乗り換えを検討してみましょう。
またもし10Gbpsプランを使う場合でも、フレッツ光クロスよりも安く、さらに高額なキャッシュバックをもらえるところがあるので、そちらをおすすめします。