動画やSNSなど、インターネットを利用する機会が増え、今や生活を送るうえで欠かせないものとなっています。
しかし、光回線をはじめとするインターネット回線は、料金プランや手続きが複雑で、実際のところ何のプランを契約しているのか分からないという人も多いです。
そこで本サイトでは、自宅で利用しているインターネット回線について、どのサービスを利用しているのか、料金はいくら支払っているのか、不満点は無いのかといったことに関する独自のアンケート調査を行いました。
アンケート調査からは、理想のネット環境をなかなか手に入れられない人がいる一方で、快適に通信している人や、割引や特典を使って通信料金を安く抑えている人もいるという結果が出ています。
アンケート調査内容
本調査では、以下の調査方法及び内容でアンケートを取りました。
アンケート 有効回答数 |
316件 |
実施日 | 2020年10月 |
調査内容 |
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自宅で利用しているネット回線の種類(光回線・ポケットWiFi・ホームルーター)
まず、自宅で利用しているインターネット回線の種類についての質問では、光回線(戸建て)が106人、光回線(マンション)が86人、ポケットWiFiが69人、ホームルーターが55人でした。
割合で見ると、光回線を利用している人が61%、ポケットWiFiが22%、ホームルーターが17%です。
やはり光回線を使っている人が多いのですが、外出先でも利用できるポケットWiFiや工事不要ですぐ使うことができるホームルーターを自宅のメイン回線として使っている人もかなりいるのが分かります。
1ヶ月あたりで支払っている料金
次に、インターネット回線を使うために支払っている1か月あたりの料金について尋ねました。
1か月あたりの平均は5,183円
アンケート調査の結果をもとに、光回線(戸建て、マンション)、ポケットWiFi、ホームルーター全体における平均を出したところ、1か月あたりの通信料金は5,183円でした。
各インターネットの月額料金平均
種類ごとに平均を出したところ、光回線(戸建て)は月6,333円、光回線(マンション)は月4,542円、ポケットWiFiは月4,540円、ホームルーターは月4,774円という結果になりました。
最も平均額が安くなったのは、わずかな差ではあるもののポケットWiFiです。
光回線の料金は、マンションタイプが戸建てタイプに比べて、だいたい1,000円ほど安いのが一般的です。
それでも、平均で2,000円近い差が出たのは、戸建てタイプで割高な料金を支払っていることが多いためだと考えられます。
一方、ポケットWiFiや光回線(マンションタイプ)よりも高かったのがホームルーターです。
ホームルーターのうち、ソフトバンクエアーやモバレコAirは、割引が無くなる3年目以降になると1・2年目に比べて月額料金が上がってしまうため、このような結果に繋がっていると推測できます。
各インターネットの月額料金分布
1か月あたりに支払っている通信費の料金について分布図をまとめると、最も多かったのが4,000円以上5,000円未満で32.7%、次いで5,000円以上6,000円未満が26.8%でした。
ちなみに、2,000円未満と回答した2.6%は、別に契約したデータSIMをポケットWiFi端末に挿して使っていたり、最初の数ヶ月だけ月額料金が500円であったりするような特殊なケースです。
光回線(戸建て)の月額料金分布
光回線(戸建て)では、5,000円以上6,000円未満が33.0%と最も多く、次いで6,000円以上7,000円未満が22.3%、4,000円以上5,000円未満が14.5%という結果でした。
また、一般的な光回線(最大1Gbps)にくらべて高額であるものの速い回線を契約しているという人もそれなりにいました。
光回線(マンション)の月額料金分布
光回線(マンション)では、4,000円以上5,000円未満が50.0%と半数を占め、次いで3,000円以上4,000円未満が17.8%、5,000円以上6,000円未満が15.4%となりました。
マンションタイプの月額料金は、一般的に戸建てタイプに比べて1,000円ほど安く設定されている為、戸建てに比べると料金は安くなっています。
ポケットWiFiの料金分布
光回線(マンション)では、4,000円以上5,000円未満が31.8%、5,000円以上6,000円未満が30.4%、3,000円以上4,000円未満が23.1%と、この価格帯で8割を占めています。
主要ポケットWiFiであるWiMAXや、最近台頭しているクラウドSIMを利用したポケットWiFiの価格帯通りの結果です。
ホームルーターの料金分布
ホームルーターでは、4,000円以上5,000円未満が43.4%、5,000円以上6,000円未満が28.2%、この価格帯で7割を占めています。
ホームルーターと言えばソフトバンクAir、モバレコAir、WiMAX。利用期間に応じて3,000円から5,000円となっている為、ここ価格帯の割合が多くなっています。
スマホとのセット割を使っている人の割合と平均額
光回線利用者に対し、スマホとセットで使うことでスマホの料金から一定額を割引する「セット割」を使っているかについても尋ねました。
集計すると、光回線(戸建て)では106人中33人が、光回線(マンション)では86人中29人がセット割を適用しており、平均月額は戸建てで月6,228円、マンションタイプで月4,774円となっています。
割合でみると、セット割を使っているのは、戸建てタイプ利用者の31%、マンションタイプ利用者の38%でした。
セット割を適用している光回線(マンション)利用者の平均額が、光回線(マンション)よりもやや高くなっているのは、セット割適用のために光電話などのオプションを追加しているのが原因の一つと考えられます。
回線速度
インターネットの回線速度を計測できるサービス「Speedtest」を使って、どのくらいの速さで通信できるのかを測ってもらいました。時間は特に指定していません。
全体の平均速度
各インターネット全体の平均速度は、下り(ダウンロード)速度が70.87Mbps、上り(アップロード)速度が56.19Mbpsでした。(Mbpsは速度の単位)
光回線がポケットWiFiやホームルーターに比べて非常に速いことがわかります。
各インターネットごとの平均速度(下り)と分布
動画の再生やSNSの読み込みなどは、ダウンロード速度が速いほど快適に見ることができます。
一方、YouTubeをUPする、大きなサイズのファイルをメールで送るといった場合は、アップロード速度が速いほうが有利です。
ただ、多くの人にとって、普段のインターネット通信で重視すべきはダウンロード速度であるため、今回は各インターネットごとの下り速度について、平均速度と速度分布をまとめました。
光回線(戸建て)の速度分布
またプランによって、高額である代わりに最大速度が速いようなプランがありますし、利用する時間帯(一般的に回線利用量が多い夜は遅くなる)、利用機器によっても変わる為、速度分布を見るとかなり広がっています。
光回線(マンション)の速度分布
マンションタイプも速度面で戸建てと大きな違いはありません。
ポケットWiFiの速度分布
光回線に比べるとかなり速度面で落ちてしまうのがポケットWiFi。持ち歩けて自宅以外でも利用可能というメリットはあるものの、速度面ではどうしても劣ってしまいます。
動画を見る程度であれば10Mbpsあれば十分快適であり、私自身も特に不都合なく利用できていますが、漫画をダウンロードする場合などは光回線に比べて遅いと感じることは多いです。
また、WiMAXは3日で10GB以上使うと速度が低下するといった制限があり、今回も1Mbpsを下回っている人がちらほらいました。これによってさらに平均が押し下げられています。
ホームルーターの速度分布
ホームルーターもポケットWiFi同様で直接線を引き込むわけではないので速度は光回線に劣ってしまいます。
また、10Mbps未満が最も多いというのも大きな特徴。平均はポケットWiFiよりも速いですが、使用するエリアや時間帯で遅くなってしまうことがある点は注意しておいた方がよさそうです。
現在の不満点
現在利用しているインターネット回線に関する不満点を複数回答してもらいました。
選択肢は、以下の通りです。
- 「速度が遅い」
- 「通信が不安定で繋がらなくなる」
- 「WiFiが届かない」
- 「料金が高い」
- 「サポートが不適切」
- 「料金が分かりにくい」
- 「その他」
- 「不満なし」
現在のインターネット回線への不満点の全体回答
現在のインターネット回線に関する不満の全体回答によると、「通信が不安定で繋がりにくくなる」が38.6%で最も多く、次いで「料金が高い」(28.4%)、「速度が遅い」(23.7%)が続いています。
なお、「WiFiが届かない」に関しては、光回線であれば、WiFiルーターを新しくするか、メッシュWiFiや中継器を利用すると、改善することが多いです。
ポケットWiFiやホームルーターに関しては、機器の近くで接続することで問題なく使えます。
各インターネットごとの不満点について
続いて、各インターネットごとに不満点を整理しました。
全体回答では最も多かった「通信が不安定で繋がらなくなる」は、光回線(マンション)、ポケットWiFi、ホームルーターでワースト1位となりましたが、光回線(戸建て)では「料金が高い」に次いで2位でした。
マンションタイプやポケットWiFi、ホームルーターで「通信が不安定」の割合が多いのは、通信環境の問題があります。
光回線(自宅)で通信が安定しやすいのは、集合住宅とは違って自宅だけの回線を引き込んでいるためです。
一方、マンションタイプは、集合住宅内で回線を共有して使っている場合があり、速度が遅くなる原因となります。特に、利用者の多い夜や週末は不安定になりがちです。
また、ポケットWiFiやホームルーターは、有線を部屋まで引き込んでいる光回線とは違って、基地局から電波を送受信することで通信をします。有線に比べて無線が不安定になりやすいのは当然です。
ただ、戸建てタイプは、ポケットWiFiやホームルーターで割合の多い「通信の不安定さ」「速度が遅い」が低い分、料金の高さを不満点に挙げている人も多いです。
安定した通信を求めるなら光回線、料金の安さを求めるならポケットWiFiやホームルーターを選びたいですね。
なお、「その他」は、キャッシュバックの受け取りや、通信の上限に不満や不安を感じている回答が見受けられました。
種類 | その他の回答内容 |
ポケット WiFi |
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ホーム ルーター |
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乗り換え予定の有無
インターネット回線の乗り換え予定に関して尋ねました。
全体のうち、何らかのタイミングで乗り換えを予定している人は33%、乗り換える予定のない人が67%でした。
一方、インターネット回線の種類ごとに見ていくと、乗り換えを予定している人の割合が多いのはポケットWiFiで56%。
逆に乗り換えを予定している人の割合が最も少なかったのが、光回線(戸建て)で19%でした。(マンションは22%、ホームルーターは45%)
回線工事や電話番号の引継ぎが不要なポケットWiFiやホームルーターは、光回線に比べて乗り換えを考えている人が多いですね。
現在の回線から乗り換えをしない理由
前の質問で「乗り換えをしない」と回答した人を対象に、乗り換えをしない理由について尋ねました。
全体では「満足している」40.5%、「解約や新規契約が面倒」が38.6%
各インターネットいずれも、「満足している」「解約や新規契約が面倒」を理由として選ぶ人が多いという結果になりました。
各インターネット全体のグラフにまとめても、「満足している」は40.5%、「解約や新規契約が面倒」が38.6%を占めています。
光回線では半数が「満足」をし、半数近くは「手続きが面倒」と回答
ここからは、現状にはとりあえず満足していて、お得なサービスが他にあったとしても、解約や新規契約の煩わしさから、乗り換えをしないことを選ぶユーザーが一定数いることが見て取れます。
ネットの「不安定」「料金」「速度」などに不満があっても、面倒臭さが先行するとなかなか乗り換えるのは難しいですよね。
ただ、不満を抱えながらインターネット回線を使っていても、それではストレスがたまる一方です。
本サイト「WiFiの極み」では、一見分かりづらくて複雑そうに見えるインターネット回線を、光回線・ポケットWiFi・ホームルーターの種類ごとに紐解きながら解説しています。
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