WiMAXとは、UQコミュニケーションズ社が提供するモバイルWi-Fiルーターです。
最新機種では1Gbpsを超えるほど高速な無線通信ができますが、特に高階層のマンションやビルでは繋がりづらいと言われることも。
本記事では、WiMAXが高層階で繋がりにくい原因や対策方法について、詳しく見ていきます。
WiMAXは高階層のマンションやビルでも繋がるの?
結論から言えば、WiMAXは高階層のマンションやビルでも、繋がることがあります。
ただかなりの高階層でも繋がるか、繋がっても安定した通信ができるかは、それとは別の話。
まずはWiMAXが高階層で繋がりづらい理由や、繋がりやすい環境について確認しておきましょう。
WiMAXが高階層で繋がらないことがあるのはなぜ?
WiMAXが繋がりづらくなる原因としては次の2つが挙げられます。
- 鉄筋コンクリートやガラスが多い場所
- 基地局から遠い場所
鉄筋コンクリートやガラスが電波の障害になるから
WiMAXで使われている電波は高周波帯域です。
高周波数帯域は、スマホで主に使われている低周波数帯域の電波(700GHz~900GHz)に比べて、障害物に弱い性質があります。
また、ビルやマンションに使われているような素材は、電波の障害物となりやすく、コンクリートや金属は電波を反射し、木やガラスを通過する際は電波を弱くします。
低階層でもこういった電波の性質に起因する繋がりづらさは発生するので、高階層であれば尚更繋がりづらくなってしまうのもよく分かりますね。
基地局が遠くて電波が届きにくいから
基地局から発された電波が手元のWiMAXに届くまでに障害物が多いと、それだけ電波は弱くなるもの。
つまり言い換えれば、電波の発信元となる基地局から遠いところほど、WiMAXが繋がりにくくなるということです。
WiMAXを提供しているUQコミュニケーションズによると、WiMAX2+の屋外基地局は少なくとも全国で30,000局ありますが、最寄りの基地局が近くにあるとは限りません。
基地局がどこにあるのかは公開されていませんが、WiMAXには「エリア改善要望受付フォーム」からエリアに関して要望を出すことも可能です。
電波状況がなかなか改善されない場合は、声を挙げてみるのも良いかもしれません。
近くに基地局があれば高階層でも通信できないこともない
WiMAXが登場した頃は、対応エリアが狭くて電波も弱かったため、WiMAXは繋がりにくいというイメージがありました。
しかし、現在では基地局の数を増やしたり、小型基地局を建物内に設置したりするなど電波を届きやすくする工夫がなされていますし、周囲の建物に基地局が設置されていれば、高階層でも繋がりやすい場合もあります。
まあ結局は基地局次第というところもあるので、繋がりやすさを重視する人はWiMAXよりもLTE系のポケットWiFiや光回線の契約を検討してみましょう。
WiMAXの基地局はどこ?設置場所はマップや検索で調べられるの?
高くてもWiMAXの電波が届くようになっている場所は意外にある
高階層とはちょっと次元が異なりますが、非常に高い場所でも、WiMAXの電波が届く場所は意外とあります。
今回は「スカイツリー」と「富士山」を例に挙げて、WiMAXが使える理由や、どれくらいの速度使えるのかについて見ていきましょう。
スカイツリー(350m地点)
スカイツリーの展望デッキは、建築物としては国内最高地点のスポットです。
「フロア350出発ゲート」は地上から350mのところにありますが、スカイツリーの高層部へ向けて電波を直接照射することで、これほど高い場所でもWiMAXで通信することができます。
通信速度は下り19Mbps、上り7Mbpsということでそれほど速いわけではありませんが、ネット検索やSNSの閲覧程度であれば、快適に使用できるでしょう。
参考:UQ WiMAX公式
富士山の山頂付近(3,776m付近)
富士山の山頂付近は高さが3,776mもありますが、ここでもWiMAXを使用することができます。
山頂以外にも、WiMAXでカバーされているルートは次の通りです。
- 富士宮口ルート登山道
- 富士宮口ルート五合目
- 富士宮口ルート六合目
- 吉田口、須走口ルートの頂上付近
- 富士山頂
多くの登山客が利用するルートで通信できると、登山の楽しみも増えそうですね。
ただし、WiMAXが使えるのは、富士山全体ではなくあくまで限られた部分だけ。
気象状況や時期によっては使用できないこともあるので注意が必要です。
WiMAX2+の電波が届きづらい場合はどうしたらいい?
WiMAX2+は高速な無線通信ができますが、障害物の影響を受けやすいのが難点。
WiMAX2+で通信が繋がりづらい場合に有効な対処法は、以下の通りです。
- ハイスピードプラスエリアモードに切り替えてLTE通信をする
- 窓際に置いて電波を受信しやすくする
それぞれについて見ていきましょう。
ハイスピードプラスエリアモードに切り替えてLTE通信をする
ハイスピードプラスエリアモードとは、WiMAX2+とLTEの2種類の電波を使い分ける通信モードのこと。
LTEはauの回線なので、WiMAXよりカバーしている範囲が広く周波数帯域も異なり、電波が遠くまで届きやすい特徴があります。
そのため、WiMAXが繋がりにくいときは、ハイスピードプラスエリアモードに切り替えてみましょう。
なお、ハイスピードプラスエリアモードは月額料金1,105円の有料オプション。一度でも使用すると基本料金に1,105円が加算されます。(3年契約の場合は無料)
また、ハイスピードプラスエリアモードに切り替えた状態で通信量が月間7GBを超えると、速度制限の対象となるため、使い過ぎには注意が必要です。
窓際に置いて電波を受信しやすくする
WiMAXの電波は2.4GHz帯という高周波帯域で高速な通信が可能ですが、コンクリートやガラスなどの障害物が多い屋内では、電波が弱くなって通信が不安定になります。
繋がりにくいときは、ルーターを窓際に置くと電波を受信しやすくなるので、ぜひ試してみてください。
ただし、窓ガラスにUV加工が施されたものや鉄線入りのものが使用されていると、電波の障害が大幅に大きくなります。
どこに置けば通信が速くなるのかは建物の環境次第なので、通信しやすい位置を室内で色々と探してみると良いでしょう。
ポケットWifiが繋がらない時に考えられる原因と対処法、圏外になったらどうすればいい?
高階層でもWiMAXを使える場合もある
主に高階層でWiMAXが繋がりづらい原因と、繋がりやすくするための工夫について解説してきました。
高階層でも全く使えないということもありますが、近くの建物に基地局が設置されていないと電波が届きづらく、建物の素材や窓ガラスの種類が影響する可能性もあります。
WiMAXを高階層でも必ず使えるわけではないので、安定した通信を求めている場合は、光回線の利用など他の手段についても検討してみると良いでしょう。