「4G」「LTE」は、スマホを使っている人なら誰もが知っている言葉になり、すっかり生活のなかに定着していますね。
本記事では、4G LTEの特徴やWiFiとの使い分けについて解説していきます。
読み終えた時には、4G LTEとWiFiについてきっと詳しくなれていますよ。
4G LTEとは何?
結論を言ってしまうと、現在「4G」と「LTE」は実は同じ意味で使われています。
そもそも「4G」(フォージー)や「LTE」(エル・ティー・イー)というのは、通信規格のことをさしていて、通信速度によってバージョンが分けられています。
下の図でいうと、「2G」なら第二世代、「3G」(スリージー)なら第三世代といった感じです。
(出典:総務省「『移動通信システムの進化(第1世代~第5世代)』第5世代移動通信システムについて」
上の図で分かる通り、もともとLTEは3Gの携帯電話と4Gの間の規格として、第3世代のなかでも「3.9G」と呼ばれていました。
その後4Gが世界的に広がるなかで、次第に4GとLTEとを同じ意味で使う会社が世界的に増えたことで、以下の取り決めがあったそうです。
ITU(国際電気通信連合)がLTEなどの通信規格を4Gと呼称することを認めた
(引用:KDDI公式HP「4G LTEの概要」)
日本でもキャリアによって4G LTEの呼び方は様々ですが、内容的には同じ意味で使われています。
NTT ドコモ | Xi(クロッシィ) |
au | au 4G LTE |
Softbank | Softbank 4G |
4G LTEとWiFiは何が違う?
本記事では4GやLTEをまとめて「4G LTE」として扱っていきます。
では早速ですが、「4G LTE」と「WiFi」の違いって、皆さんご存じでしょうか。
4G LTEとWiFiは、うまく使い分けることで生活の質をぐんと上げて、月々の通信費をぐんと下げることもできます。
4G LTEとWiFiの意味やメリットについて、しっかりと確認していきましょう。
4G LTEとWiFiが大きく違う点として、以下の二点が挙げられます。
- 電波の届く範囲
- 使っている電波の周波数帯
では、順にみていきましょう。
電波の届く範囲が大きく違う
4G LTEとWiFiは、そもそも電波の受信方法が大きく違います。
4G LTEは基地局から直接電波を送受信しているのに対して、WiFiは家の無線LANルーターやポケットWiFiから飛ばす電波でやり取りをしています。
4G LTEは屋外で移動しながら使うことを想定した電波距離になっているのに対して、WiFiはカフェや駅など、特定の場所で使うことを想定した電波距離になっているため、届く範囲が全く違ってくるのです。
4G LTE
→数百m~数km先までの通信が可能
Wi-Fi
→数m~数十m程度の通信が可能
4G LTEとWiFiは違う周波数帯(バンド)を使う
日本では電波が下図のように割り当て行っていて、電波が届く距離や速度などの特徴によって様々な周波数帯(バンド)に振り分けられています。
(引用:総務省HP)
そのなかで4G LTEは「極超短波(UHF)」という電波を中心に、WiFiは無線LANの一部として「マイクロ波(SHF)」に分類されていることからも、異なるバンドが使われていることが分かりますね。
下の表は、総務省が各キャリアとWiMAXに割り当てたバンドを一覧にしたものです。
NTT ドコモ | au | Softbank | WiMAX | ||
バンド28 | 700MHz帯 | ○ | ○ | ○ | |
バンド18/26 | 800MHz帯 | ○ | |||
バンド19 | ○ | ||||
バンド8 | 900MHz帯 | ○ | |||
バンド11 | 1.5GHz帯 | ○ | ○ | ||
バンド21 | ○ | ||||
バンド3 | 1.7GHz帯 | ○ | ○ | ||
バンド1 | 2.0GHz帯 | ○ | ○ | ○ | |
ISMバンド | 2.4GHz帯 | ○ | |||
バンド42 | 3.5GHz帯 | ○ | ○ | ○ | |
5.0GHz帯 | ○ |
(引用:総務省HPより)
スマホで使用する電波は700MHz~900MHzのプラチナバンドが中心に使われるなど、端末の種類によってバンドを変えるなどの工夫がなされています。
このバンドの違いによって何が変わってくるかは、「4G LTEとWiFiのメリット・デメリット」で解説していきます。
4G LTEのメリット・デメリット
以下では、4G LTEのメリットとデメリットを確認していきます。
4G LTEのメリット
4G LTEには、次の通り。
- いつでもどこでもスイスイとつながりやすい
- エリアの広さ
- テザリングが使える
では順にみていきましょう。
いつでもどこでもスイスイとつながりやすい
4G LTEで主に使われている700GHz~900GHzの周波数帯は、低周波と呼ばれる帯域です。
低周波は高い建物や分厚い壁などの障害物があっても、それをよけたり透過したりすることができるため、使用者の手元まで電波が届きやすいという特徴があります。
反対に、家の固定回線からWiFiを飛ばす機器やWiMAXが使っているバンドは、高周波数と呼ばれる帯域で、建物や地下、壁などの障害物に弱い性質があります。
そのため、住居の2階では1階からのWiFiが届きにくかったり、街中の地下街に入るとポケットWiFiの電波が弱く感じたりする人も出てくるでしょう。
エリアが広い
携帯通信会社では、電波の状態の調査をすることで、つながりにくい地域や場所があれば基地局の設置を検討するなどして日々改善に努めています。
そして4G LTEについてはどのキャリアでもよっぽど田舎でない限り圏外にはならないくらいに広がっています。
ちなみに5G用の基地局もどんどん増えていますが、4G LTEの基地局も日々増えています。
テザリングが使える
4G LTEでは、WiFiを飛ばす機器としてスマホを使い、パソコンやタブレット端末にWiFiを飛ばすことのできるテザリングを使うことができます。
NTTドコモ以外のキャリアは使用前にオプションの申し込みが必要ですが、WiFiのない外出先でパソコンをインターネットにつなげたい場合でも、テザリングを使うことで気軽にネットを使えます。
テザリングを使う場合は、オプションが無料/有料なのか、料金プラン的に請求が高額にならないかなどの事前確認は必ずしておきましょう。
4G LTEのデメリットは回線混雑による速度低下
4G LTEは、特定の場所や時間帯に利用者が集中すると、回線が渋滞してつながりにくくなる場合があります。
その為、以前まではキャリアのスマホも使える容量が数十GB以内と制限されていました。
それに対し5Gは4G LTEに比べて圧倒的な量のデータ通信が可能となっています。
その結果、回線混雑の心配が少なくなり各キャリアのプランも無制限が一般的となりました。
Wifiのメリット・デメリット
次に、Wifiのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
Wifiのメリット
Wifiのメリットは、以下の通り。
- 通信量の節約ができる
- 上空1万mでも機内WiFiで通信可能
- スマホのバッテリー消費対策になる
それでは順にみていきましょう。
スマホの通信量をセーブできる
WiFiが使えると、モバイル通信量を節約できるため、速度制限を回避することが可能です。
スマホでWiFiを使わずに動画やSNSを見続けていたり、日ごろからナビの替わりに地図アプリを使っていたりすると、月末近くになればなるほど残りの通信量が気になって満足に通信することができませんよね。
スマホの速度制限に悩んでいる人は、モバイルWiFiを一緒に使うことで月々の通信費を減らせるかもしれません。
料金 | 通信 速度 |
エリア | |
楽天モバイル | ◎ 無制限 3,278円 |
◯ | ◯ |
GMOとくとく BB WiMAX |
△ 無制限 3,762円〜 |
◎ | ◯ |
ZEUS WiFi | ◯ 100GB 3,212円〜 |
△ | ◎ |
Point
- 楽天モバイル・・・コスパ◎、総合点No.1
- GMOとくとくBB WiMAX・・・通信速度◎
- ZEUS WiFi・・・エリアの広さ、繋がりやすさNo.1
飛行機でネットは楽しめないなんて、今やもう昔の話
飛行機のなかで旅行先の情報を調べようと思ってたけど、飛行機じゃネット使えないからダメか・・・。
あら、知らないの?会社や飛行機の便によってはWiFiが使えるものもあるから、飛行機のなかでも色々調べることもできるのよ。
飛行中に4G LTEやポケットWiFiで通信をするといった行為は法律違反として禁止されていますが、最近では、機内にいてもWiFiでインターネット利用ができる「機内Wi-Fi」の整備が進んでいます。
(引用:「ANA Wi-Fi service」、「JAL 機内Wi-Fiについて」より)
WiFiのデメリット
WiFiのデメリットは、以下の通り。
- 電波が不安定
- 公衆無料WiFiが危険な可能性もある
電波が不安定になることも
WiFiの電波はLTEよりも障害物等に弱く、近い周波数同士がぶつかると通信が不安定になりがちです。
とくに集合住宅など、狭い範囲で多くのWiFiが飛んでいるような環境では電波同士が干渉してしまう現象が起こりやすいと言えます。
WiFiで使われるバンドは他の電子機器(電子レンジなど)も使っていることが多いです。
電波が不安定と感じた場合は5.0Ghzの電波に切り替えたり、4G LTEで通信をするなどの対策を取りましょう。
公衆無料WiFiは危険?
キャリアユーザーが使えるWiFiや、WiMAX利用者が使えるWiFiなど多くのWiFiが街中には飛んでいますが、パスワードなしで使える無料WiFiはセキュリティが不安なものが多いです。
フリーWiFiで鍵なしのサイト(http:で始まるもの)を見ている人は、情報が筒抜けといっても過言ではなく、簡単にネットワークに侵入されて個人情報を取得されかねません。
たとえパスワードが掛けられていても、カフェのWiFiの名前に似せた偽のWiFiが飛ばされている(俗に野良WiFi)ことも考えられるので、フリーWiFiを利用した個人情報の入力はできるだけ避けるのが望ましいでしょう。
Wi2premiumとは?勝手に繋がらない方法や公衆WiFiが安全に使えるアプリ解説
4G LTEとWiFiを場所や目的で使い分けたインターネット利用を
ここまで4G LTEとWiFiの違いについて解説してきました。
近年は動画や音楽のサブスクリプションが普及し、WiFiなしでは満足して楽しめないエンタメがたくさんあります。
4G LTEとWiFiを組み合わせて利用することで、より快適により心からインターネットを楽しめるでしょう。