オンラインゲームやネットワークカメラ、リモートアクセスなどに必要な「ポート開放」。
少し専門的に感じがしますが、知っておくと便利な機能です。
本記事では、WiMAXでポート開放をするメリットやデメリットを中心に解説していきます。
ポート開放とは?何のために必要なの?
「ポート開放」の言葉の意味や、それによってできることを見ていきましょう。
ポート開放とは?
ポート開放の正式名称は、「ポート転送設定」です。
普段ネットを使っている時は「ポートフィルタリング」と呼ばれるフィルターによって、外部からの不正アクセスなどから守ってくれる機能が働いています。
ただ、外部からの要求に応えないように設定されているため、対戦型ゲームで通信ができないなどのエラーが発生してしまう原因となってしまっているのも事実。
このフィルタリングを解除してネットを使えるようにするのが、ポート開放です。
ポート開放によってできること
ポート開放によってできることは、以下の通りです。
外から自分のパソコンのネットワークにリモートアクセスできる
最近はクラウド市場の発展もあり、ネット環境があればいつでもどこでも必要なデータにアクセスするといったことが容易になりました。
それでも、USBやSD、クラウドに入れたくないようなデータなどを出先からでもアクセスできると便利ですよね。
ポート開放をすればそういったリモートアクセスも可能となります。
ps4などの対戦型オンラインゲームができる
ポートフィルタリングが掛かっているとエラーが発生する対戦型オンラインゲームも、ポート開放をすればプレイすることもできます。
基本的に光回線を引いた戸建てであれば、ポート開放に必要となるグローバルIPアドレスで接続することができるため、そこまで気にする必要はありません。
ただ、光回線が導入されていてもマンションやアパートの配線方式によっては、ポート開放ができないことも。
特に各部屋まで光コンセントが来ていないタイプの集合住宅は注意が必要です。
配線を建物内で共有して利用している場合、ポート開放ができないプライベートIPアドレスでの接続になっている可能性があります。
引越した先のアパートが、ポート開放に対応していなかった。
ゲームできない…。
対戦型ゲームをよくする人が引越しをする時は、新居のネット環境をよく確認おかないと後悔することになるかもしれません。
建物の関係などで工事が難しい場合は、グローバルIPアドレスが使えるWiMAXなどの機器を用意することで、ポート開放ができるようになります。
WiMAXでポート開放を使うメリット・デメリット
WiMAXはプライベートIPアドレスを使った通信なので、繋げるだけではポート開放をすることができません。
WiMAXでグローバルIPアドレスを使うには、105円/月(税込)の利用料とプロファイル設定が必要です。
グローバルIPアドレスが使えるポケットWiFiが他にもあるなかで、WiMAXを使ってポート開放をするメリットとデメリットについて解説していきます。
WiMAXでポート開放を使うメリット
WiMAXでポート開放をするメリットは以下の通りです。
月に何度使っても基本料金+105円/月の低料金でグローバルIPアドレスを使える
ドコモのポケットWiFi端末と格安SIMを組み合わせることでグローバルIPを使うことはできますが、機器を手に入れてグローバルIPが使えるSIMを手に入れるのはなかなか面倒ですよね。
WiMAXであれば、いつも使っている基本料金に105円/月(税込)を支払うだけでグローバルIPが使えるためかなり経済的です。
クレードルがあれば無線LANルーターと有線接続して使うこともでき、気軽にグローバルIPを使いやすい端末と言えるでしょう。
WiMAX+2を扱うほとんどのプロパイダで利用できる
WiMAXの一部のプロバイダだけではなく、ほとんどのプロバイダでグローバルIPアドレスを取得した接続をすることが可能です。
auで契約すれば、IPv6のグローバルIPも月額料金込価格で使うこともできますよ。
ちなみに、ASAHI net WiMAXであれば、WiMAXに加えて光回線も同時に契約することで、通常880円/月(税込)掛かる固定IPアドレスの利用が無料になる特典も。
WiMAX2+サービス契約後の翌日午前2時以降であればグローバルIPを使った接続が可能ということを考えると、契約してから使えるようになるまでが早いWiMAXは助かりますね。
WiMAXでポート開放を使うデメリット
WiMAXでポート開放をするデメリットは以下の通りです。
動的アドレスであるため、再起動などによってアドレスが変わってしまう
WiMAXのグローバルIPは動的アドレスです。
端末の再起動などによって割り振られるグローバルIPが変わってしまうため、外部からリモートアクセスしようとした時にIPアドレスが変わっていると入れないという問題が起きてしまいます。
ゲームによっては、グローバルIPで接続しないとエラーになる可能性も。
マイIPなどのサービスを使って固定IPアドレスを取得する方法や、無線LANルーターと端末を挿したクレードルを使って固定化させる方法もあるので、試しにやってみても良いかもしれません。
(引用/参考:マイIP公式HP)
WiMAX単体で使うとセキュリティが不安
ポート開放をするということは、フィルタリングを解除することです。
つまり、普段守ってくれている防御を外すことになるため、セキュリティ的にはかなり不安な状態となります。
ポート開放はセキュリティソフトの入ったパソコンと無線LANルーターを繋げて使うことが多いため、セキュリティに守られたままネットに接続できるのが本来の状態です。
セキュリティ対策が整っていない端末とWiMAXを繋げると、外部からのアクセスや攻撃を受けやすくなってしまいますので注意してください。
WiMAXでポート開放をする方法は?
WiMAXでポート開放をするには、まずプロファイルを作成しなければいけません。
グローバルIPとプライベートIPについて解説している別の記事で触れていますので、こちらを参考にしてください。
WiMAXでグローバルIPを使う方法や料金、設定方法。WiMAXでオンラインゲームをする前に確認を。
ポート開放ができない?そんな時に試したい方法
最後に、ポート開放のメリットとデメリットをまとめます。
【メリット】
- 月に何度使っても基本料金+105円/月の低料金でグローバルIPアドレスを使える
- WiMAX+2を扱うほとんどのプロパイダで利用できる
【デメリット】
- 動的アドレスであるため、再起動などによってアドレスが変わってしまう
- WiMAX単体で使うとセキュリティが不安
あまり設定をいじったことのない私でも5分ほどでポート開放ができたので、設定自体は難しくありません。
しかし、セキュリティに弱くなるなどのデメリットを考えると、通常の接続ではグローバルIPを使うメリットがさほど無いため、必要が無ければ通常のプライベートIPで接続しておいて問題はないでしょう。
グローバルIP接続がうまくいかなかった場合は、以下の項目や設定を確認してみてください。
- Skypeの設定を変更する
→Skypeが指定するポートをコマンドプロンプトから変えてみる - 無線LANと有線LANを接続している
→有線LANを外してみる - パソコンのセキュリティ設定を変えていない
→指定したアドレスを登録してポートフィルタリングに掛からないようにする - プロファイル設定がうまくできていない
→グローバルIP設定を最初からやってみる
操作が難しくてお手上げという人は、サポートセンターやプロバイダに連絡しても良いかもしれませんね。