iPadにはWi-Fiのみ使うことができる「Wi-Fiモデル」と、Wi-Fiに加えてSIMを挿してモバイルデータ通信も使うことができる「Wi-Fi+セルラーモデル」の2種類があります。
初めてiPadを買う場合だと特にどちらを購入したら良いのか迷いますが、個人的におすすめしたいのは「Wi-Fiモデル」です。
もちろん人によって使い方も変わってくるのでセルラーモデルが良い場合もありますが、基本的にはWi-Fiモデルで十分満足できるでしょう。
iPadの「Wi-Fi+セルラーモデル」の特徴
まずはiPadの「Wi-Fi+セルラーモデル」(以下セルラーモデル)がWi-Fiモデルと比較してどういった点が異なるのか、その特徴を紹介します。
SIMを挿してモバイルデータ通信を行うことができる
セルラーモデルの大きな特徴は、iPhoneと同様SIMを挿してモバイルデータ通信を行うことができる点にあります。
Wi-Fiモデルの場合はWi-Fiがある環境でしか使うことができません。
一方でセルラーモデルの場合、データSIMを契約して挿しておけば、Wi-Fiが使えない場所であっても単独でインターネットの利用が可能です。
GPS機能がついている
セルラーモデルにはGPS機能がある(Wi-Fiモデルにはない)為、位置情報を使うアプリも使うことができます。
特にiPadをカーナビとして使う場合には必須の機能。
Wi-FiモデルでもWi-Fiに繋がっている場合はある程度の位置情報を掴むことができますが、正確性に欠けるのでカーナビとして使うことはほぼできません。
端末の価格が高い
Wi-Fiモデルとセルラーモデルは以下の通り、iPad自体の価格が大きく異なります。
Wi-Fi | Wi-Fi+セルラー | |
iPad mini(64GB) | 78,800円 | 102,800円 |
iPad(64GB) | 68,800円 | 92,800円 |
iPad Air(64GB) | 92,800円 | 116,800円 |
iPad Pro11インチ (128GB) |
124,800円 | 148,800円 |
価格差はいずれも24,000円で、モバイルデータ通信機能やGPS機能がある分、セルラーモデルの方が高くなっています。
iPadを購入するならほとんどの人には「Wi-Fiモデル」がおすすめの理由
こういった特徴があるセルラーモデルですが、個人的にはセルラーモデルではなくWi-Fiモデルがおすすめ。その理由は以下の通りです。
モバイルWiFiの方が使い勝手が良い
セルラーモデルに格安SIMを挿せば、Wi-Fi環境下でなくてもどこでも使うことができるという一つのメリットがありますが、それはWi-FiモデルとモバイルWiFiの組み合わせでも同じことです。
それどころかiPad専用に格安SIMを持つより、モバイルWiFiを1台持っておいた方がコスパ、使い勝手は良いです。
モバイルWiFiであればiPadだけでなく他のタブレットやノートPC等もどこでも使えるようになるし、さらにスマホでの通信用としても使うことができるので小容量プランに変えることができ通信費の節約にもなります。
以下はスマホでドコモを使っている場合のスマホ用通信費とiPad用通信費の総額料金例です。
スマホ用 | iPad用 | 総額料金 | |
スマホ +格安SIM(20GB) |
5,665円 (〜5GB) |
2,178円 (20GB) (楽天モバイル) |
7,848円 |
スマホ +格安SIM(無制限) |
5,665円 (〜5GB) |
3,278円 (無制限) (楽天モバイル) |
8,943円 |
スマホ +モバイルWiFi(30GB) |
3,465円 (〜1GB) |
2,361円 (30GB) (ZEUS WiFi) |
5,826円 |
スマホ +モバイルWiFi(無制限) |
3,465円 (〜1GB) |
3,278円 (無制限) (楽天モバイル) |
6,743円 |
モバイルWiFiを1台持っておけばスマホ代を大きく下げることができるので、トータルの通信費は最も安くなります。
少ししか使わないならテザリングで十分
テザリングにはいちいち接続するのが面倒、スマホの電池消費が激しくなるというデメリットがある為、頻繁に外出先でiPadを使う人にはおすすめしません。
ただ月に数GB程度しか使わないというのであれば、テザリングで十分でしょう。
わざわざ数GBのSIMを契約して使う必要性はあまり感じられません。
SIMを別途契約することによるデメリットが多い
SIMをスマホと別にiPad専用で契約するということは、以下のデメリットが生じます。
- 通信費が高くなる
- スマホとiPadそれぞれで通信量を管理しなければならない
- iPadを外で使わないと無駄になるだけ
通信費が高くなるというのは上記で述べた通りですが、それ以外にも別でSIMを契約するということはスマホとiPadそれぞれで毎月の容量を気にしなければいけないということになります。
そして何より、iPadを外であまり使わない月があったり、使わなくなってしまうとただ無駄になるだけという点が大きいです。
モバイルWiFiであればiPadを外であまり使わなかったとしても、スマホの通信の為には使っているので無駄とは感じません。もし容量が多すぎて余るようならプランを変えれば良いだけです。
しかしセルラーモデルでiPad専用に格安SIMを契約してしまうと、外であまり使わない月があるとただの無駄となり、プランを下げたり格安SIM自体の利用をやめたとしてもそれはそれで高いセルラーモデルを買ってしまったことがもったいなくなってしまいます。
GPSがなくても不便さはない
セルラーモデルのはGPS機能があるという点が一つのメリットではありますが、iPadでGPS機能を活用する人はおそらくそこまでいないはず。
少なくともiPhoneを持っていれば、地図アプリなどでGPS機能が必要なアプリを使うことができますしね。
Wi-Fiモデルの方が圧倒的に安い
何より大きいのが価格差。
どのタイプのiPadを選ぶにしても、セルラーモデルはWi-Fiモデルより24,000円も高いです。
数千円程度ならまだしも、24,000円というのはかなり大きいですよね。
よっぽどセルラーモデルでなければいけない理由がなければ、安いWi-Fiモデルを選ぶべきでしょう。
iPadでセルラーモデルを選んだ方が良いケース
ここまで述べたように、「基本的には」セルラーモデルではなく、Wi-Fiモデルの方ががおすすめです。
ただ、一部の人にとってはセルラーモデルを選んだ方が良い場合もあるので、その場合についても紹介します。
カーナビとして使いたいなどでGPSが必須の場合
iPadはiPhoneに比べて画面が大きいため、地図アプリをカーナビがわりに使うことができますが、カーナビとして使う為には現在地を把握できるGPS機能が必須となります。
Wi-FiモデルでもWi-Fiに繋がっていればある程度の位置情報はつかめますが、カーナビとして使えるレベルの正確性はありません。
その為、もしiPadをカーナビとしても使いたいと考えているならセルラーモデルを選ぶようにしましょう。
モバイルWiFiを持ちたくない場合
モバイルWiFiがあればWi-Fiモデルであっても、どこでもiPadを使ってインターネットを利用することができますが、代わりにモバイルWiFi端末を持ち歩かなければいけなくなるというデメリットがあります。
もしどうしても荷物が増えるのが嫌だとか、充電管理しなければいけないものば増えるのが嫌だという場合はセルラーモデルと格安SIMの組み合わせの方が向いているでしょう。
キャリアのスマホで無制限プランを使っている人、使い続けたい人
ドコモ、au、ソフトバンクには、スマホのデータ容量をタブレットでシェアできる以下のプランがあります。
- ドコモ(データプラス)・・・1,100円
- au(タブレットシェアプラン)・・・1,100円
- ソフトバンク(データシェアプラン)・・・1,078円
スマホで各キャリアの無制限プラン(ドコモのギガホプレミアなど)を使っている人の場合、このプランに加入するとiPadで月30GBまで使うことができるようになるので、モバイルWiFiや格安SIMをわざわざ契約するよりも安く使うことができます。
ただ当然タブレットにSIMを挿して使うことになるので、iPadならセルラーモデルでなければなりません。
コスト面で考えると、そもそもキャリアのスマホは高いのでスマホは格安SIMの小容量プラン、通信用にモバイルWiFiを持つというのが最もおすすめではあるものの、キャリアが良いという人もいるでしょう。
回線速度で言うとモバイルWiFiや格安SIMよりもキャリアの回線の方が速いですからね。
キャリアの回線が良くてスマホは無制限プランを使っており、さらに今後も使い続けようと考えているなら、セルラーモデルとキャリアのシェアプランを使うのがベストです。
iPadは基本的に「Wi−Fiモデル」、用途次第で「Wi-Fi+セルラーモデル」を選ぼう
iPadでWi-Fiモデルかセルラーモデルかで迷っているのであれば、ほとんどの人にはWi-Fiモデルをおすすめします。
セルラーモデルに比べて24,000円も安く、SIMを挿せなくてもモバイルWi-Fiを使えば外出時も好きな場所、好きなタイミングで使うことは可能だからです。
ただGPS機能などセルラーモデルにしかない機能もある為、カーナビとして使いたい、キャリアのデータシェアプランを使いたいという場合はセルラーモデルを選ぶ必要があります。