スマホやタブレット、パソコンなどをネットに接続するときに便利なのが、無線で通信できるWiFiです。
しかし、WiFiの電波は家具や壁など障害物の影響を受けやすいため、ルーターの設置場所によっては繋がりにくくなることがあります。
無線LANルーターの設定や設置場所を見直す他に、ルーターの周囲をアルミホイルで囲むことでも電波の状態を改善することが可能です。
本記事では、WiFiの電波がうまく繋がらない理由やその対策方法について、分かりやすく解説します。
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料金 | 通信 速度 |
エリア | |
楽天モバイル | ◎ 無制限 3,278円 |
◯ | ◯ |
GMOとくとく BB WiMAX |
△ 無制限 3,762円〜 |
◎ | ◯ |
ZEUS WiFi | ◯ 100GB 3,212円〜 |
△ | ◎ |
Point
- 楽天モバイル・・・コスパ◎、総合点No.1
- GMOとくとくBB WiMAX・・・通信速度◎
- ZEUS WiFi・・・エリアの広さ、繋がりやすさNo.1
WiFiの電波がうまく繋がらない理由は?
WiFiにうまく接続できないときは、次のいずれかの原因が考えられます。
- 家具や壁が障害物となり電波が弱くなっている
- WiFiルーターと手持ちの機器の通信規格が合っていない
- WiFiルーターの設置場所や向きが悪い
- ファームウェアをアップデートできていない
- 電子レンジなど他の機器と電波干渉を起こしている
以上の点について、WiFiが繋がらない理由を見ていきましょう。
家具や壁が障害物となり電波が弱くなっている
家庭でWiFiを使用していると、別の部屋へ移動しただけでも電波が繋がりにくくなることがありますよね。
主な原因は、家具や壁などが障害物となって電波が弱くなり、端末までうまく届きにくくなっているからです。
しかし、スマホの電波は家の中のどんなところに居ても、問題なく繋がることが多いですよね。
それはなぜかというと、スマホで主に使われている低周波数の電波(700MHz~900MHz)に比べて、WiFiで主に使われている電波(2.4GHzや5.0GHz)は、周波数が高いからです。
周波数の高い電波は障害物の影響を受けやすく、木材やガラスなどを通過するとさらに電波が弱くなりやすい傾向があります。
そのため、同じ建物の中であっても、WiFiルーターから端末までの間に障害物が多いと、電波が届きづらくなるのです。
1階にWiFiルーターを設置して2階でネットを使う場合は、なおさら繋がりにくいことが多くなるでしょう。
アクセスポイント(中継地点)となるルーターをもう一台設置すると、より広範囲で安定してWiFiに接続しやすくなりますよ。
WiFiルーターと手持ちの機器の通信規格が合っていない
端末とWiFiルーターの通信規格が合っていないときは、WiFiにうまく接続できないことがあります。
WiFiの規格には次のようにたくさんの種類があり、規格によって周波数帯域や接続速度などが異なることが特徴です。
通信規格 | 周波数帯域 | 接続速度 (理論値) |
IEEE 802.11b | 2.4GHz | 11Mbps |
IEEE 802.11n | 2.4GHz / 5GHz |
600Mbps |
IEEE 802.11ac | 5GHz | 6.9Gbps |
IEEE 802.11ax | 2.4GHz / 5GHz |
9.6Gbps |
新しいWiFiルーターはほとんどの規格に対応していますが、古いルーターは旧式の規格(IEEE 802.11b/nなど)にしか対応していません。
そのため、新しいスマホやタブレットなどを古いWiFiルーターに接続しようとしても、ルーター側が規格に対応していないため接続できないことがあります。
WiFiで接続するiPhoneやパソコンを買い替える時は、無線LANルーターも合わせて買い替えておくのがおすすめです。
関連:家庭用WiFiルーターの寿命はどれくらい?買い替えのタイミング、古い無線LANルーターの使い道も紹介
WiFiルーターの設置場所や向きが悪い
WiFiの電波はスマホのモバイル通信電波より障害物の影響を受けやすいですが、特にコンクリートや金属、水回りなどに弱いです。
これらの材質には電波を反射したり吸収したりする性質があるので、WiFiルーターの設置場所としては避けたいところ。
さらに、WiFiルーターが発信する電波は、ルーターを中心として全方向へ広がっていくため、床や壁の近くには置かないことが望ましいです。
つまり、床や壁、水槽や金属製の棚などから離して、部屋の中央付近の高さ1メートルくらいのところに置くことが、WiFiに接続しやすくするコツ。
WiFiルーターを収納するためのケースやカバーも販売されていますが、金属製など材質によっては電波の障害になることがあるので、使用する場合は注意が必要です。
また、ルーターに付いているアンテナの向きに気を使ってみると、よりWiFi環境を快適にできるかもしれません。
一戸建てのように複数階でWiFiを使用する場合は、アンテナを水平方向に倒して扇型に開くと、縦方向に電波が届きやすくなります。
マンションや平屋など建物が横長の場合は、アンテナを垂直方向に立てて扇型に開くと、横方向に電波を送り届けることが可能です。
WiFiルーターのファームウェアをアップデートできていない
WiFiの設置場所を見直しても一向に改善しない場合は、WiFiルーターのファームウェアをアップデートしていないことが原因かもしれません。
ファームウェアとは、機器本体を制御するためのソフトウェアのことで、WiFiルーターにも組み込まれています。
しかし、ファームウェアには何らかの不具合やセキュリティ上の弱点があるものなので、定期的に更新プログラムが配信されることが多いです。
WiFiルーターのファームウェアは自動で更新されることもありますが、製品や設定によっては手動での更新が必要になることも。
ファームウェアの更新が行われていない場合は、通信が不安定になることがあります。
アップデート方法は、使用しているルーターの取扱説明書やメーカーの公式サイトなどに記載されているので、確認してアップデートしてみましょう。
電子レンジなど他の機器と電波干渉を起こしている
WiFi接続に2.4GHzの周波数帯域を使用している場合は、電波干渉が発生しやすいので注意が必要です。
2.4GHzという帯域は、電子レンジやBluetoothに対応している家電製品など、他の機器も発する周波数。
そのため、WiFiルーターを電子レンジなどの近くに設置すると、電波干渉によって電波が弱くなります。
部屋の都合上どうしてもルーターの設置場所を変更できない場合は、5.0GHzの帯域でWiFiに接続しましょう。
5.0GHzの周波数は他の機器で使用することがほとんど無いため、家電製品などの場所を気にする必要がありません。
ただし、2.4GHzよりも周波数が高い5.0GHzの電波は、障害物の影響をさらに受けやすくなるので、離れた場所で接続するときは通信が不安定になる可能性があります。
WiFiの電波はアルミホイルで強化されるって本当?
前述したように、WiFiの電波はルーター本体から全方向へ広がるため、基本的には家のどこにいても接続することが可能です。
しかし、特定の場所でしか使用しないという場合は、他の方向へ飛んでいく電波が無駄になってしまいます。
そこで、電波を無駄にせず有効活用すると同時に、電波を補強する効果があるとして有名なのがアルミホイルの反射板です。
アルミホイルでWiFiの電波を補強できる理由や具体的な方法について、詳しく見ていきましょう。
アルミホイルは電波を反射する
アルミホイル(アルミ箔)の原料であるアルミニウムは金属なので、電波の反射・遮蔽や、耐水・耐熱など幅広い用途で使用されています。
そもそもなぜアルミなどの金属がキラキラと輝いて見えるのかというと、目に見える可視光線を金属が反射して、その瞬間に金属内の電子が揺らめくからです。
アルミホイルが電波を反射したり遮蔽したりするという性質は、WiFiルーターで効果的に利用することができます。
先ほど、WiFiの電波は金属によって反射されるため、金属の近くにルーターを設置すべきではないと解説しましたね。
しかし、金属が電波を反射するという性質を利用すれば、アルミホイルの反射板をルーターの周囲に設置して、狙った方向へ電波を飛ばすことができるのです。
WiFiルーターの周りにアルミホイルを設置するだけでも速度は速くなる
実際、WiFiルーターの近くにアルミホイルを設置して、速度が改善されたという口コミがあります。
我が家もWiFi遅かったりとかで調子悪いなーと思ってたらTwitterでアルミホイルで周り囲むといいと見てから速度など問題がクリアになりました!かっこ悪いけど1度お試ししてみてもいいかも😹 pic.twitter.com/1h1MEBETyF
— 🐾まんまる党🐾 (@marujyera) November 23, 2020
噂のアルミホイルで電波増幅したらスマホの速度3倍くらい早くなったわ。 pic.twitter.com/etfg99hp3i
— はむ@あんこう (@hamugegege) November 16, 2020
twitterで見た、Wi-Fiルーターをアルミで囲うと
ネット回線が早くなるってツイート。実際に試してみたら、1.7倍くらい通信速度早くなったww
単純にダンボールにアルミホイル貼って
3方向囲っただけなのに、なかなかの効果。(Twitter)
速度が向上した人もいれば、うまくいかなかった人もいましたが、ポイントは、前述した「WiFiの電波がうまく繋がらない理由」を踏まえたうえで設置すること。
床に置いたり、WiFiルーターをぐるぐる巻きにしたりしても、電波を誘導できていないと意味がありません。
そこで今回は、身近な物を使って、実際にWiFiの電波を強化する実験を行いました。
WiFiの電波をアルミホイルと牛乳パックで強化する方法
速度を上げるために今回使用したのは、アルミホイル1本(100均)と牛乳パック1枚です。
牛乳パックがなければ、段ボールでも構いません。それでは、WiFiの電波を強化する方法を見ていきましょう。
アルミホイルを反射する壁の作り方
電波を確実に反射させるために、WiFiルーターよりも大きな壁を作ります。
筆者のもつWiFiルーターは小ぶりなので、牛乳パック1枚で足りそうです。
よく乾かした牛乳パックを開いてアルミホイルをつける
牛乳パックはよく洗って乾かしたものを用意してください。ちゃんと乾かさないと臭いです。
牛乳パックにハサミを入れ、1枚に開きます。底の部分は捨てても残してもOK。
アルミホイルをを巻いて、WiFiルーターのコードを通すために三角の穴を空ければ完成です。
ここまで所要時間は3分ほど。すぐできます。
アルミホイルが取れそうなら、セロテープやガムテープでくっつけておきましょう。
WiFiルーターの後ろに設置していざ速度測定
筆者の自宅はインターネット無料の集合住宅。平日の昼間にWiFiルーターの速度をSpeed testで測定してみました。
下り(ダウンロード)速度1,82Mbps、上り(アップロード)速度86.6Mbps。なぜか異常に上りが速いですが、下りはちょっといまいちですね…。
SNSチェックやYouTubeをスマホで見るくらいなら大したことないですが、高画質の動画を見るにはちょっと不安な速度です。
アルミホイルの壁を設置する前と設置した後の速度の差
ここで、WiFiルーターの後ろに先ほどつくったアルミ板を設置します。
この写真は、ルーターの後ろにすぐ板を置いたパターンと、ルーターと板を15cmほど離したパターンを上から写したものです。
右側はせっかく空けた穴の意味が無くなっていますが、ここは気にせず測定。
結果はそれぞれ以下の通りです。
(左:すぐ後ろに板を置いたパターン、右:15cmほど離したパターン)
どちらもアルミ板なしの時よりも速度の改善がみられますが、15cnほど離した時のほうが5.73Mbpsと、より効果が高いことが分かります。
ちなみに、アルミ板の角度を変えたり、横向きに設置したりと他にも色々やってみましたが、一番数値が良かったのは、ルーターの後ろに少し距離を置いてアルミ板を設置したパターンでした。
アルミホイルの壁を設置すると確かに速度は改善する
今回の結果をまとめると、次の通りです。
- 牛乳パックとアルミホイルがあればWiFiルーターの速度は改善される
- ルーターのすぐ近くに置くよりも、少し離して設置したほうが効果が高い
アルミ板を設置したことで、下り速度1,82Mbps → 5.73Mbps、上り速度も86.6Mbps → 92.5Mbpsと大幅に改善することができました。
5Mbps以上の速度が出たおかげで、画像表示や動画再生時の微妙な読み込み時間も短くなった気がします。ただ、本音を言えば10Mbps以上は出てほしかったですね。
おまけ|アルミホイルの特性を生かせばこんなこともできる
アルミホイルを使うと、WiFiの電波を強化するだけでなく、携帯を圏外にすることも可能です。
アルミホイルでしっかり包めば携帯を圏外にすることも可能
東野圭吾のガリレオシリーズ『真夏の太陽』では、おにぎりを包んでいたアルミホイルに携帯をくるんで、携帯の電源を切らずに携帯を圏外にするというシーンが出てきます。
もちろん、これは電波を反射するというアルミホイルの特性を生かしたものです。
携帯電話をアルミホイルで包めば電波の出入りができなくなり、電源を切ったときのように、電波の送受信ができなくなります。
このとき、アルミホイルは何重にもグルグル巻く必要はなく、全体を隙間なく包み込むことができれば十分です。
ただ、数ミリでも隙間が開いているとそこから電波が漏れるので、アルミ製の保冷バッグなどアルミではない部分があるものに携帯を入れても、圏外の状態にはなりません。
こういった性質を活用すると、何らかの理由で携帯電話を圏外にしたいときに便利なので、実際にそのためのアイテムも登場しています。
電波を遮断し、携帯を圏外にできるポーチも登場している
電車やバス、病院や図書館など公共の場所に居るときは、携帯の電源を切るかマナーモードにすることが求められます。
しかし、そのたびに携帯の電源を切ったり設定を変更したりするのは面倒ですよね。
そこで便利なのが、すぐに携帯を繋がらなくできる「電波遮断携帯圏外ポーチ」です。これを使えば携帯をさっと入れるだけで圏外の状態にできます。
使い方はとても簡単で、携帯を圏外にする必要があるときにポーチに入れて、携帯を使えるようになったらポーチから出すだけです。
なお、このポーチはあくまで携帯の電波を遮断することが目的なので、自動車のスマートキーなど、周波数帯域によっては効果を得られないことがあります。
ちなみに、鉄はアルミホイルよりも広範囲の周波数帯域の電波を遮断できるので、スマートキーなどを保護したいのであれば鉄製のケースを使用しましょう。
まとめ|WiFiの調子が悪い時はアルミホイルをうまく活用して!
WiFiの電波は障害物などの影響を受けやすいため、無線LANルーターの設置場所には注意が必要です。
電波の状態を改善するためには、家具や壁の近く、水回りや電子レンジなどを避けて、部屋の中央付近で1メートルくらいの高さに設置するようにしましょう。
設置場所を見直しても改善しないときは、買い替えを検討する前にルーターの周囲にアルミホイルの反射板を置くと、電波が強化されて繋がりやすくなったり、速度が上がったりします。
外出先で携帯をあえて圏外状態にしたいときは、専用の電波遮ポーチを使用すればすぐ圏外にできるので、必要に応じて活用してみてください。