光回線の乗り換えは、月額料金が安くなるなどのメリットがある一方で、乗り換えのタイミングが悪いと、工事費や違約金の支払いで困ることもあります。
乗り換えるなら、手続きの時期や順番のコツを押さえて、できるだけお得に済ませたいものです。
そこで本記事では、光回線を乗り換えるメリットや注意点、新規契約や転用、事業者変更時の手続きについて詳しく解説します。
おすすめの乗り換え先についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
光回線を乗り換えるメリット
光回線を乗り換えるメリットは以下の通りです。
- 月額料金が安くなる
- 速度が速くなる
- 違約金負担キャンペーンを利用して乗り換え可能
月額料金が安くなる!スマホとのセット割引で通信費の節約に
ドコモやau、ソフトバンクといったキャリアはもちろん、IIJmio(みおふぉん)やOCNなどの格安SIMでも、スマホとセットで契約することで、月額料金から割引されるサービスは多くあります。
下表は、セット割引のある光回線とスマホの一例です。
光回線 サービス名 |
モバイル サービス |
割引内容 | 詳細 |
ドコモ光 | ドコモ | 「ドコモ光セット割」 毎月最大1,100円割引 |
詳細 |
auひかり | au | auスマートバリュー プランに応じて毎月割引 |
詳細 |
ソフト バンク光 |
ソフトバンク | 「おうち割 光セット」 毎月最大1,100円割引 |
詳細 |
ビッグローブ光 | BIGLOBE モバイル |
「光☆SIMセット割」 毎月最大330円割引 |
詳細 |
enひかり | UQmobile | 「勝手に割」 毎月110円割引 |
詳細 |
IIJmio光 | IIJmio | 「mio割」 毎月最大660円割引 |
詳細 |
OCN光 | OCN | 「OCNモバイル割」 毎月220円割引(最大5契約まで) |
詳細 |
光回線サービスの月額料金は、どこで契約しても数百円程度しか変わりません。
しかし、スマホとのセット割を使えば、通信費を節約することは可能です。
特にキャリアは割引額が高いうえに、家族の回線契約数に応じて割引を受けることができるため、スマホとセット割を使わない手はありません。
一方、格安SIMは月660円から月110円と割引額は低いものの、そもそもの月額料金が安いですし、より安くなるのであれば、利用したいですよね。
もし、家族でスマホの契約先がばらばらだったり、セット割が無かったりする場合は、おてがる光(戸建て月4,708円)のような、とにかく月額料金が安くてお得に契約できる契約先を探すのみです。
乗り換えで速度が速くなる!回線やプロバイダが変われば速度も変わる
「夕方や夜になると回線が混雑して遅い」「最近やたら速度が遅くなった」といったことで悩んでいる人は、光回線を乗り換えることで、速度が改善される可能性があります。
速度を上げたくて乗り換えたいのであれば、フレッツ光からNURO光、auひかりなどの違う種類の回線に乗り換えてみましょう。
フレッツ光から光コラボレーション(ドコモ光やソフトバンク光)に乗り換える人もいますが、両者はNTT東日本・西日本の回線を使っているため、乗り換えたとしても回線はそのまま変わりません。
ですから、乗り換えで速度改善を期待するのであれば、契約先の回線やプロバイダを変えるようにしましょう。
途中解約をしても違約金負担キャンペーンで相殺できる
光回線の乗り換えでネックなのは、契約を途中解約することで発生する違約金です。
高いところだと1万円から3万円ほど請求されてしまうことも珍しくありません。
しかし、光回線サービスには、違約金を負担してくれるキャンペーンを実施しているところがいくつかあります。
実際に掛かった額、それどころかそれ以上の金額ををキャッシュバックしてくれるところがほとんどなので、乗り換えでプラスになることは少ないですが、損をせずに乗り換えができるのはありがたいですよね。
乗り換え時の違約金が気になる人は、こういったキャンペーンをうまく利用してみましょう。
下記の記事では、最新のキャッシュバック情報をあわせて紹介しているのでチェックしてみてください。
光回線を乗り換える時の注意点
光回線を乗り換える時に注意しておきたい点を挙げました。
- 解約金が発生する
- 工事費の残債を一括で請求される
- 違約金とは別に回線を撤去する工事費用が掛かることがある
- 回線の種類が変わると工事が必要
- 電話番号が引き継げないことがある
契約途中で解約金が発生する
通信系のサービスは、2年や3年といった契約期間の縛りを設けているところが多くあります。
長期契約を結ぶことを条件に月額料金が安くなっているため、途中で解約した場合には契約違反として解約金を請求されるわけです。
安くても5,000円、高いと3万円ほどの解約金が掛かる光回線もありますし、通常の解除料に加えてキャンペーンの違約金を請求されることもあります。
乗り換えようと思っている光回線に、上述で触れた「違約金負担キャンペーン」や高額キャッシュバックが無ければ、慌てて乗り換えても高額な違約金を支払うだけで損をする可能性が高いです。
工事費用の残債を一括請求される
光回線には、工事費を自己負担するケースと、月額割引やキャッシュバックで実質無料になるケースがあります。
光回線の乗り換えで厄介なのが、後者の場合です。
工事費が実質無料になる光回線では、毎月工事費の分割支払いと相殺するように、工事費分の費用を月額料金から割り引かれるシステムを採用しているところがほとんど。
分割支払い期間は光回線によって幅があり、20か月のところもあれば、60ヶ月掛かるところもあります。
しかし、その途中で解約してしまった場合は、工事費の残債を一気に請求されることが多いです。
フレッツ光から光コラボレーションへの乗り換えに限っては分割支払いが継続されますが、他は基本的に一括で請求されるので、違約金と合わせて高額の支払いがあることは注意しておきましょう。
光回線の工事費用はどれくらい?実質無料は本当?工事費負担の目安や注意点を解説
違約金とは別に回線の撤去工事費用が掛かることがある
NURO光、auひかりからフレッツ光や光コラボレーションからへ乗り換える時は、違約金や工事費の残債とは別に、回線の撤去工事費用が掛かることもあるので注意してください。
回線撤去工事費用とは、NURO光やauひかりを戸建てプランで契約した際に、電柱から宅内まで引いた回線を撤去する費用のことです。
一度引いた回線をそのまま残してくれてもいいのに…と思いますが、契約時に渡される「重要事項説明書」で触れてある以上、受け入れるしかありません。
ちなみに、auひかりのホームタイプでは31,680円もの費用が掛かります。
乗り換え先のキャッシュバックや乗り換え費用負担キャンペーンによって補うことができるか、あらかじめチェックしておいた方が良いですね。
フレッツ光からNURO光など回線が変わると工事が必要
同じNTT東西回線を使うような、フレッツ光と光コラボレーション、光コラボレーションから光コラボレーションへの乗り換えについては、基本的に工事は必要ありません。
しかし、NTT回線とは違う回線への乗り換えとなると、新しく回線を引かなければいけないため、工事が必要です。(逆についても同様)
ただ、新規の回線工事については、工事費実質無料で対応してくれる光回線も多いので、乗り換え時の工事費については、契約先さえ選べばあまり気にする必要はなさそうです。
電話番号が引き継げないことがある
光回線では、手続きをすることで、乗り換え先でも電話番号を引き継ぐことが可能です。
しかし、NTT東西以外で発番された電話番号については、乗り換え先に引き継ぐことができません。
たとえば、ソフトバンク光のホワイト光電話は、ソフトバンクが発番した電話番号を使っているため、番号そのままで乗り換えることができないようになっています。
同様に、NTT東西以外で発番された他のサービスについても同じ番号での引継ぎはできないので、乗り換えで固定電話の番号が変わってしまうかもしれない点については、注意が必要です。
光回線の乗り換え先おすすめ
乗り換え先としておすすめする光回線サービスをいくつか紹介します。
ドコモ光|スマホとセットで1契約につき永年最大1,100円割引
(引用:ドコモ光)
ドコモのスマホやケータイを使っているのなら、ドコモ光への乗り換えがおすすめです。
キャリアの光回線は月額料金の差がないものの、「ドコモ光セット割」を使うことで1回線につき最大1,100円割引されるのはかなりお得。
ちなみに、光コラボレーションではプロバイダがあらかじめ決まっていることが多いですが、ドコモ光は自分で好きなプロバイダを選ぶことができます。
プロバイダの数が多くて悩んでしまう人には、WiFiルーターのレンタルが無料で速く通信できるIPv6 IPoEに対応したりしている「GMOとくとくBB」がおすすめです。
ソフトバンク光|スマホのセット割引や違約金負担キャンペーンが魅力的
(引用:ソフトバンク光)
ソフトバンク光でも、スマホと光回線をセットで契約することで、1回線につきスマホ料金が最大1,100円引きになります。
ソフトバンクユーザーであればセットで契約して通信費を節約したいですね。
また、ソフトバンク光では違約金を負担してくれるキャンペーンも実施されているので、これを機に光回線もスマホも乗り換えてみるのも良さそうです。
なお、ソフトバンク光でIPv6方式による通信を考えている場合は、専用の光BBユニットの利用が推奨されていますので、忘れずに申し込むようにしましょう。
ビッグローブ光|auユーザーもBIGLOBEモバイルユーザーも割引あり
(引用:BIGLOBE光回線公式)
auひかりは解約時に回線撤去費用が掛かるなど、乗り換え先としてはちょっとハードルが高め。
しかし光コラボレーションのビッグローブ光なら、フレッツ光や光コラボからの乗り換えで工事はありません。
auユーザーはビッグローブ光を契約することで、「auスマートバリュー」を適用することが可能。
(参考:auスマートバリュー)
また、ビッグローブ光には、BIGLOBEモバイル会員向けの割引もあります。
月額料金が特に安いわけでもないですが、割引やキャンペーンをうまく使うなら乗り換え先としてアリです。
NURO光|ソフトバンクユーザーや速度重視派におすすめの乗り換え先
(引用:NURO光公式)
NURO光は、独自開発技術のおかげで、フレッツ光よりもかなり速く通信ができると定評のある光回線サービスです。
工事に時間が掛かったり、月額料金が特に安くもなかったりしますが、とにかく今の速度を何とかしたいから乗り換えを考えている人に向いています。
なお、NURO光は、ソフトバンクスマホとのセット割(1回線につき最大1,100円割引)にも対応しているため、ソフトバンクユーザーにもおすすめの光回線サービスです。
おてがる光|契約期間の縛りも解約金も無しでさらに月額料金も安い
(引用:おてがる光)
おてがる光はそこまで知名度のある光コラボではありませんが、とにかく月額料金が安いのが魅力的なサービスです。
他の光コラボサービスに比べ、マンションは月3,608円、戸建ては月4,708円とかなり安く設定されているうえに、契約期間の縛りや途中解約違約金などがありません。
ドコモ光やソフトバンク光などのように工事費用が実質無料にならない点は残念ですが、2年や3年といった縛りを避けたい人にはおすすめの光コラボサービスと言えます。
光回線を乗り換える手順
最後に、光回線を乗り換える手順について確認していきましょう。
光回線の乗り換えは主に3つのタイプに分けられます。
- 【転用】フレッツ光→光コラボレーション
- 【事業者変更】光コラボ→他の光コラボ
- 【新規】異なる種類の回線への乗り換え
それぞれで手続きの内容が異なるので、自分がどの手続きにあたるか不安な人は、各サポートセンターに問い合わせてください。
【転用】フレッツ光から光コラボレーションに乗り換え
フレッツ光から光コラボレーションへ転用する手順を3ステップでまとめました。
なお、転用の詳細については、こちらの記事でも解説しています。
Step1:フレッツ光のIDや電話番号などの契約者情報を手元に用意する
フレッツ光を契約した際の書類を用意しましょう。
記載されている契約者IDや電話番号、契約者名や住所などの情報が必要となります。
Step2:NTT東西に連絡して転用承諾番号を取得する
次にNTT東日本・西日本の公式サイトや電話連絡で、転用手続きに必要な転用承諾番号を取得してください。
転用承諾番号は、NTT東西に電話をしてから15日以内に光コラボ先で手続きを済ませないと無効となります。
再発行の場合は再度申し込みや連絡が必要になって二度手間となるので、発行後は速やかに転用手続きを済ませましょう。
Step3:転用先の光コラボレーションに申し込み
光コラボをWEBサイトから申し込む際は、「転用」を選択して「転用承諾番号」の入力を、電話申し込みの際は、番号を確実に伝えるようにしてください。
問題がなければ光コラボ先の事業者から連絡が入り、WiFiルーターや通信機器などの確認などが行われます。
【事業者変更】光コラボから他の光コラボに乗り換え
光コラボレーションから、他の光コラボレーションへ乗り換える際、以前であれば一度フレッツ光に「アナログ戻し」をしたうえで転用手続きをする必要がありました。
簡単に言えば、光コラボから光コラボへ乗り換えることができなかったというわけです。
しかし、2019年に「事業者変更」制度が始まったことで、「アナログ戻し」をしなくても、転用と同じような手続きをすることで、光コラボから光コラボへ乗り換えることが可能となっています。
光コラボレーションから光コラボレーションへ事業者変更(再転用)する手順をまとめました。
Step1:契約中の光回線で事業者変更承諾取得番号を取得する
次に契約中の光回線で、転用手続きに必要な事業者変更承諾取得番号を取得してください。
事業者変更承諾取得番号の有効期間は、発行後15日以内です。
Step2:事業者変更先の光コラボレーションに申し込み
WEBサイトから手続きする際は、「事業者変更」を選択して「事業者変更承諾取得番号」の入力を、電話申し込みの際は、番号を確実に伝えるようにしてください。
問題がなければ受理され、後日書類が届きます。
WiFiルーターなどの設定変更手続きを行いましょう。
【新規】異なる種類の回線へ乗り換え
NTT東西回線からの乗り換えか、NURO光やauひかりからの乗り換えかで手順が違うため、それぞれについて説明します。
NTT回線からauひかりやNURO光への乗り換え
フレッツ光や光コラボレーションから、auひかりやNURO光など違う種類の回線へ乗り換える手順を簡単にまとめると、以下の通りです。
- 乗り換え先の申し込みは「新規」で行う
- 工事の実施
- 開通に向けての設定
- 元の契約先を解約する
ちなみに、既にマンションにauひかりやNURO光回線が引いてある場合、工事やインターネットの開通にそう時間が掛かることはありません。
ただ、そもそもauひかり回線のないマンションは契約ができず、NURO光も一定数の申込者がいない限り契約自体が難しいことがあります。
集合住宅は既にNTT回線やケーブルが引かれていることが多いので、別の回線を引き込むことを考えている場合は、管理会社や大家さんに相談し、工事の許可をもらいましょう。
auひかりやNURO光からNTT回線への乗り換え
auひかりやNURO光などから、フレッツ光や光コラボレーションへ乗り換える手順は、以下の通りです。
- 乗り換え先の申し込みを「新規」で行う
- 元の契約先の解約手続き
- 工事の実施
- 開通に向けての設定
- 接続機器などの返却
逆に、auひかりやNURO光からフレッツ光や光コラボレーションへの乗り換えは、回線撤去費用や違約金がネックになるくらい。
なお、このケースでは、インターネットが使えなくなる期間が生じないように、解約予定日が、新規契約先の開通予定日の後になるように調整するのがポイントです。
光回線の乗り換えで月額料金や速度への不満が解消されるかも
光回線を乗り換える時のメリットやデメリット、おすすめの乗り換え先や、乗り換える手順について解説してきました。
固定回線は、一度契約してしまうと、なかなか見直す機会が少ないもの。
もし支払っている料金や速度に不満があれば、それはきっと自分にとってチャンスです。
乗り換えで重視したいのが速度であれば、回線ごと乗り換えるのがおすすめ。
ただ更新月がまだ先でタイミングが悪いなら、プロバイダだけ乗り換えてみるというのも一つの手です。
各ネット回線の乗り換えについては、こちらの記事でも解説していますので、ぜひ参考にどうぞ。