一般的に通信速度が遅い、時間帯によって速度が低下すると言った印象をもたれている格安SIMですが、中には通信速度が速く快適に使うことができるものもあります。
もしキャリアから格安SIMに乗り換えることができない理由に通信速度を挙げているのであれば、ぜひ本記事をチェックしてあらめて考えてみてください。
※本記事では通信速度実測値の実例をだしているもののその速度は保証されたものではなく、通信速度は環境・場所・時間帯によって大きく変わる為、あくまで参考程度と捉えてください。
格安SIMでも通信速度が速く、速度低下がないものもある
格安SIMの通信速度が遅い、時間帯によって遅くなるというのは間違い。
確かにキャリアの回線網を借りて通信サービスを提供しているMVNOタイプの格安SIMは、回線の枠が制限されている為、元々の通信速度が遅かったり、回線が混雑する時間帯(昼12時台など)に速度が低下するという傾向があります。
しかし、現在はMVNO以外にも格安SIM(安く使えるSIM)の種類はあり、その中には通信速度が速く、かつ1日通して速度が低下することが少ないものも多数あるのです。
通信速度が速い格安SIMの種類①、キャリアの格安プラン
ドコモのahamo、ソフトバンクのLINEMO、auのpovo2.0と各キャリアはオンライン専用の格安プランを2021年から提供開始しました。
これらはメインブランドに比べてかなり安い料金でありながら、通信速度は50〜100Mbpsとキャリアに負けない速度。12時台でも全く問題なく快適に使うことができます。
メインブランドと回線枠などでどのように差をつけているかはわかりませんが、MVNOタイプの格安SIM(10〜30Mbps程度)に比べると通信速度はかなり優秀です。
通信速度が速い格安SIMの種類②、サブブランド
ソフトバンクのサブブランドY!mobile、auのサブブランドUQモバイルも通信速度はかなり優秀。
2018年の「モバイル市場の公正競争促進の検討会(総務省)」では、サブブランド(UQモバイル・Y!mobile)が混雑時でも通信速度が速いことから、他のMVNO格安SIMから回線の貸出条件等でサブブランドを優遇しているのではないかという批判もでているくらいです(KDDI、UQモバイル側は否定)。
実際のところはわかりませんが、現在はいずれもメインブランドと同じ会社が運営しており自社の回線として通信サービスを提供していること、そして実測データも速いことから、通信面で後悔することはない格安SIMです。
通信速度が速い格安SIMの種類③、新キャリア(楽天モバイル)
ドコモなどの3大キャリアに次いで、新たなキャリアとしてサービスが始まったのが楽天モバイル。
MVNOのように回線を借りるのではなく、自社の回線を使う分、格安SIMの中では通信速度が比較的速く、30〜100Mbps程度でてくれます。
また基地局が増えて使えるエリアも広くなり、5G回線も利用可能になりました。また楽天回線が繋がらない場合に使えるパートナー回線(au回線)のデータ容量上限も5GBから無制限に変更となったので、かなり使い勝手が良くなった格安SIMでもあります。
通信速度が速く、安定性が高い格安SIMの選び方
ではここからは、具体的に通信速度・安定性を重視した場合にどの格安SIMを選ぶべきなのかについて、選び方を紹介していきます。
光回線を使うならサブブランド(Y!mobileまたはUQモバイル)
Y!mobileとUQモバイルの2つは基本料金のままだと若干料金が高いのですが、対象の光回線と使うことで、かなり安く使うことができるようになります。
Y!mobile | UQモバイル | |
基本料金 | 4GB:2,365円 20GB:4,015円 30GB:5,115円 |
3GB:2,365円 15GB:3,465円 |
セット割 適用後料金 |
4GB:1,078円 20GB:2,178円 30GB:3,278円 |
3GB:1,078円 15GB:2,178円 |
対象光回線 | ソフトバンク光 | auひかり ビッグローブ光 So-net光プラス eo光 コミュファ光 他 |
通信速度・安定性ともに優秀で、サービス・機能面も充実、キャリアのスマホと遜色ない使い方ができる為、光回線を使っているのであれば一番おすすめです。
もし対象の光回線以外を使っている場合も乗り換えればOK。光回線の乗り換えは思ったよりも手軽で、違約金負担やキャッシュバックもあるので負担もありません(むしろプラス)。
安さを重視するならソフトバンクの格安プランLINEMO
安く使いたいというのであればおすすめはLINEMO。
ソフトバンクのオンライン専用格安プランであり、以下の通りかなり安いです。
LINEMO | |
基本料金 | 3GB:990円 20GB:3,278円 |
サブブランド(Y!mobile、UQモバイル)と比較すると、データ繰り越しができないなどサービス面で若干劣っている為、光回線とのセット割が適用できるのであればサブブランドを推奨しますが、そうでなくても十分おすすめできるスマホです。
大容量使いたいならahamo、楽天モバイル
格安SIMはデータ容量が20〜25GBまでしか使えないところがほとんどですが、ahamoよ楽天モバイルであればそれ以上のかなりの大容量を使うことができます。
ahamo | 楽天モバイル | |
基本料金 | 20GB:2,970円 100GB:4,950円 (5分以内通話定額込) |
【段階料金制】 〜3GB:1,078円 3〜20GB:2,178円 20GB〜無制限:3,278円 |
ahamoは基本プランが2,970円ですが、大盛りオプション(80GB:1,980円)をつけることで、4,950円で100GBが利用可能。
ahamoは格安SIMの中で実測データは最も速く、大容量ユーザーも安心して使うことができるでしょう。
一方で楽天モバイルは格安SIMの中で唯一データ容量が無制限。100GBでも足りないという人でも問題ありません。
なにより料金がahamoに比べて格段に安いということも大きなメリットです。
※MVNOのOCNモバイルは新規受付終了
一般的に通信速度が遅いと言われているMVNOですが、OCNモバイルONEはドコモと同じくNTTのグループ会社が運営していた為か、比較的速度が優秀であると評判でした。
ただ、現在は運営会社がドコモに吸収合併されたことに伴い、新規の受付が終了しています。
そもそも通信速度はどれくらいあれば快適?MVNOでは本当にだめ?
一般的に言われているネットを快適に使うことができる通信速度は以下の通りです。
- Webサイト閲覧・・・1〜10Mbps
- SNS・・・3〜10Mbps
- 動画視聴(標準画質)・・・5Mbps
- 動画視聴(高画質)・・・10Mbps
- 動画視聴(超高画質)・・・25Mbps
- ZOOM・・・5Mbps
- オンラインゲーム(スマホ)・・・10〜30Mbps
MVNOの格安SIMでも通常時は10Mbps以上でてくれる為、動画視聴なども基本的には問題なく使うことができます。
ただネックなのが回線が混雑する時間帯(昼12時台や夕方17時から18時頃など)。キャリアも含めて回線が混雑する時間は程度の差はあれど普段よりも速度は低下するものなのですが、MVNOはそれが顕著です。
それこそ5Mbps以下になることはよくある話。会社によっては1Mbpsを切るようなことも珍しくありません。
回線枠を借りて通信サービスを提供している以上仕方がないことではある(下記図参考)し、その分料金は上記で紹介したものよりも安いというメリットもありますから人によってはおすすめできるのですが、通信速度重視、常時快適に使いたい、ストレスを感じたくないという人にとってはやはり向いていないかもしれません。
通信速度が速いおすすめ格安SIM詳細
ではここからは、上記で紹介した通信速度・安定性に優れている格安SIMの詳細を、実測値で早い順に紹介していきます。
ahamo(ドコモのオンライン専用プラン)
ahamo | |
料金 | 100GB:4,950円 |
通話オプション | 5分以内無料:0円 かけ放題:1,100円 |
使用回線 | ドコモ |
タイプ | キャリア |
- 回線品質◎、混雑する時間帯も快適
- 端末割引やdポイント還元あり
ドコモが出している格安プランであるahamo。通信速度は格安SIMの中でTOP。
5分以内の通話無料がついていて、3,000円以内で利用することができるのでかなりコスパが良いです。
また80GB追加オプションが非常に安く、基本料金の20GBと加えて100GB使えるというのもポイントでしょう。大容量使える格安SIMの数少ない中の一つです。
ただし、留守電とキャッチホンは利用できない(オプションもない)ので、使う予定の人は注意しましょう。
LINEMO(ソフトバンクのオンライン専用プラン)
LINEMO | |
料金 | ミニプラン(3GB):990円 スマホプラン(20GB):2,728円 |
通話オプション | 5分以内無料:550円 かけ放題:1,650円 |
使用回線 | softbank |
タイプ | キャリア |
- 回線品質◎、混雑する時間帯も快適
- スマホプラン契約で最大15,000円分のPayPayポイント
- ミニプラン契約で、5,940円相当のPayPayポイント
- 通話定額オプションが7ヶ月間無料
ソフトバンクが出している格安プランであるLINEMO。ソフトバンク回線を使うので回線品質は問題なし。MVNOタイプの格安SIMに比べて、速度や安定性も高いです。
また他のキャリアタイプの格安SIMに比べて、キャンペーンなどが豊富なのも大きな特徴。特に他社からの乗り換えだとかなりお得です。
Y!mobile(ソフトバンクのサブブランド)
Y!mobile | |
基本 料金 |
4GB:2,365円 20GB:4,015円 30GB:5,115円 |
割引 | 光回線セット割:最大△1,650円(1回線目〜) 家族割:△1,100円(2回線目〜) PayPayカード割:△187円 |
割引後 料金 |
4GB:1,078円 20GB:2,178円 30GB:3,278円 |
通話オプション | 10分以内無料:880円 かけ放題:1,980円 |
使用回線 | softbank |
タイプ | サブブランド |
- 回線品質◎、混雑する時間帯も快適
- 端末代割引、1円端末あり
- 他社乗り換えでPayPayポイント最大20,000円分プレゼント
- データ増量オプション6ヶ月無料
softbankのサブブランドであるY!mobile。MVNOに比べて速度は十分に速く、混雑する時間帯でも極端に遅くなるようなことなく快適に使うことができます。
基本料金は高いのですが、割引を適用すると月額料金が大幅に割引されるのでかなりお得です。家族みんなで契約する場合、自宅でソフトバンク光を利用している人はぜひ活用をおすすめします。
また様々な特典・割引が充実しているのもサブブランドの特徴。キャッシュバックもありますし、端末も安く購入できるのでメリットの多い格安SIMです。
UQモバイル(auのサブブランド)
UQモバイル | |
基本料金 | ミニミニプラン(4GB):2,365円 トクトクプラン(15GB):3,465円 コミコミプラン(20GB+通話定額10分):3,278円 |
割引 | 自宅セット割:△1,100円 家族セット割::△550円 auPayカード支払割:△187円 (※コミコミプランは割引適用外) |
自宅セット割 + auPAYカード支払割 適用後料金 |
・ミニミニプラン(4GB):1,078円 ・トクトクプラン(15GB):2,178円 ※コミコミプランは自宅セット割対象外 |
通話オプション | 1回10分以内の国内通話無料:880円 国内通話24時間かけ放題:1,980円 |
使用回線 | au |
タイプ | サブブランド |
- 回線品質◎、混雑する時間帯も快適
- 最大10,000円相当(不課税)au PAY残高還元※SIMのみ購入の場合
- 端末代大幅割引
- 増量オプションⅡが7ヶ月間無料(初めて加入の場合)
auのサブブランドであるUQモバイル。MVNOに比べて速度は十分に速く、混雑する時間帯でも極端に遅くなるようなことなく快適に使うことができます。
光回線とセットで使うと安く使え、サービス・機能面が充実しているのが特徴です。
楽天モバイル
楽天モバイル | |
料金 | 〜3GB:1,078円 〜20GB:2,178円 〜無制限:3,278円 |
通話オプション | 15分以内無料:1,100円(標準アプリ) ※専用アプリ利用時はオプションなしで無料 |
使用回線 | 楽天 |
タイプ | キャリア |
- 今だけ!初めて申し込みで10,000ポイントプレゼント!
- どれだけネットを使っても最大3,278円
- 専用アプリ利用で国内通話無料
- 端末割引あり、iPhoneの実質価格は全キャリア最安
- MNPで最大12,000円分のポイント還元
- 楽天市場でのポイント還元率アップ
新たなキャリアとして楽天が出している楽天モバイル。料金は段階制で、20GBを超えるとそれ以上はずっと定額で容量の制限がありません。
通信速度は上記で紹介したものに及ばないものの、安さはトップクラス。
基本料金だけでなく、通話料も専用アプリ(RakutenLink)から発信すれば無料(自分の電話番号でかけられる)ですし、楽天ポイント還元等のキャンペーンも充実しています。
まとめ
通信速度を理由に料金が高いキャリアを使い続けているのは、実はかなりもったいないこと。
今は通信速度が速い上、キャリアの料金の半分以下で使える格安SIMが複数あります。
もし通信速度を理由に乗り換えを躊躇しているなら、思い切って一度使ってみてください。おそらくなんの違和感もなく、快適に使うことができるはずです。