やけどをしたかと思うくらい、iPhoneを触った瞬間に熱くてびっくりした経験をしたことがある人は、意外に多いのではないでしょうか?
発熱は故障の原因になる可能性がありますが、発熱しているからといって保冷剤などで急激に冷やすのはNGです。
今回はiPhoneが熱くなる原因や正しく冷やす方法、発熱を防ぐ方法について解説します。iPhoneの発熱に困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
iPhoneが熱い!発熱する原因は?
まずは、iPhoneが発熱する原因について解説します。
考えられる要因は以下の通りです。
- 充電しながらスマホを操作している
- GPS(位置情報)を使用するアプリを起動している
- ゲームを長時間続けている
- iPhoneの容量が不足している
順に解説します。
充電しながらスマホを操作している
スマホに搭載されているリチウムイオンバッテリーは、充電中に発熱する性質があります。
したがって、充電中にiPhoneが発熱すること自体はどうしようもないことです。
ただ、問題なのは充電をしながらiPhoneを使うという行為にあります。
充電と放電を同時に行うと、バッテリーに大きな負荷が掛かり、充電の減りが速くなるだけでなく、発熱の原因になりかねません。
充電中にiPhoneを操作するのはできるだけ控えましょう。
GPS(位置情報)を使用するアプリを長時間起動している
Google MapなどのGPS(位置情報)を利用したアプリは、位置情報を取得するためにデータ通信を行い、CPUを使います。
iPhoneなどのスマホの部品の中でも特にCPUは発熱しやすいため、長時間のGPS利用は、発熱の原因になりやすいです。
フリーWi-Fiに接続できる「タウンWiFi」アプリだけでなく、Safariやカメラなど、一見GPS機能を使わないようなアプリでも、GPS機能をONにしている場合は要注意。
GPS機能をオフにする設定に関しては後ほど紹介しているので、参考にしてください。
ゲームを長時間続けている
負荷の比較的少ないパズルゲーム等に比べて、3Dグラフィックを多く使用する荒野行動やPUBG MobileなどのゲームはCPUに負担が掛かりやすく、長時間プレイし続けることで、発熱の原因になる可能性があります。
夢中になっていると分からないこともありますが、「いつもよりかなり熱い」ようなことがあれば、一度ゲームを中断してiPhoneを休ませてあげましょう。
なお、ゲームのアップデートなどで大量のデータをダウンロードも発熱しに繋がりやすいので、後ほど紹介する「冷却ファン」などを利用することをおすすめします。
iPhoneの容量が不足している
自分のiPhoneの容量(ストレージ)を定期的に見直しましょう。
「容量がもうすぐでいっぱいになります」と通知が来るほどストレージに余裕が無い場合、処理に必要なデータをすべて保存できず、何度もデータの書き込みが行われ、CPUが発熱する原因になります。
必要なデータを保存しながらアプリの処理を実行するために、常にストレージには余裕のある状態をつくることが大切です。
iPhoneが熱い時にやりがちなNG行動とは?
これから紹介するNG行動はiPhoneが故障する原因になるため、絶対に控えましょう。
- 保冷剤を当てて冷やす
- 冷蔵庫に入れる
- 水で冷やす
思いつきの行動はiPhoneが故障することになりかねません。
まずは本当にそれをやっても大丈夫か、一旦踏みとどまって調べてみるようにしてください。
保冷剤を当てて冷やす
簡単に冷やすことができそうな「保冷剤」をiPhoneに当てる人がいますが、絶対にしてはいけません。
保冷剤を当てると、急激に温度が下がることで内部が結露し、故障する原因になります。
本体が発熱しているときは「早く冷やさないと」と焦ってしまうのも無理はないですが、iPhoneもパソコンやテレビと同じ精密機器です。
iPhoneの内部で結露が起こってしまうと、精密な部品が水に濡れてショートする可能性も決して少なくありません。
また、保冷剤の水滴がiPhoneについてしまうことで故障の原因につながる可能性があるため、やはり保冷剤の使用は控えたほうが安全です。
冷蔵庫に入れる
iPhoneを冷やすなら冷蔵庫が手っ取り早く思えますが、冷蔵庫も保冷剤と同様でiPhone本体が結露する原因になるため控えましょう。
冷蔵庫内は温度が低いため一般的に湿度が20%前後になっていることが多く、「湿度が低いから結露もしない」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、冷蔵庫内で冷やしたiPhoneを取り出して外気にさらしてしまうと、そのタイミングで結露が発生する可能性もあります。
いずれにしても、急激に冷やす行為は結露を発生させ、故障のリスクが高まるので、控えるようにしてください。
水で冷やす
iPhone 7以降に発売されたiPhoneシリーズは、どの機種もIP67以上の防水性能があります。
Appleによると、IP67とは「水深1mまでの深さで最大30分間」の防水性能のこと。
ただ、防水に対応しているからと言ってiPhoneを水で冷やすのは避けてください。
水で冷やした場合でも、保冷剤や冷蔵庫で冷やした場合と同様に、iPhoneの内部が結露して故障する危険性があります。
また、AppleはiPhone 7以降が対応しているIP67以上の防水性能は、「使用によって性能が落ちる可能性がある」としています。
iPhoneを冷やす正しい方法は?
保冷剤や冷蔵庫、水で冷やすのがNGでも、故障しないように冷やす方法はあります。
結露せずに冷やすには、次の方法を試してみてください。
- 熱がこもりやすくなるケースやカバーを外す
- 扇風機やファンなどの風に当てて熱を逃がす
順に解説します。
熱がこもりやすくなるケースやカバーを外す
傷の防止やファッションとしてiPhoneにケースやカバーをしている方も多いと思いますが、種類によっては熱がこもりやすく発熱の原因になる場合があります。
特に手帳タイプのケースや、耐衝撃性をウリにしているものは、iPhoneの本体を覆って熱がこもりやすいため注意が必要です。
熱が気になる人は、熱がこもりやすくなるケースやカバーを外しててiPhoneを冷やすことができます。
発熱時にカバーやケースを外すのが面倒という方は、iPhoneの側面のみをカバーするバンパータイプや小さな穴がいくつも空いているメッシュタイプのカバーやケースを試してみるのもおすすめです。
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扇風機やファンなどの風に当てて熱を逃がす
パソコンを使っていると「ブイーン」と音が鳴り、熱い風が出てくることがあります。
あれは、パソコンを冷ますための内蔵ファンが動いている証拠です。
しかし、小型のiPhoneにはそんな内蔵ファンは付いていません。
そのため、同じ要領でiPhoneを冷やすことを考えると、外部から風を当てて空気に触れやすくして、熱の発散効率を上げる方法があります。
また、最近ではiPhoneなどに取り付けられるスマホ専用の冷却ファンが販売されており、本体に取り付けてより効果的にiPhoneを冷やすことが可能です。
頻繁にゲームをプレイするなど、発熱が気になる方はぜひ試してみてください。
iPhoneの発熱を防ぐために日頃からできる対策
iPhoneの発熱を防ぐために、日頃からできる対策を紹介します。
- 必要のないアプリをアンインストールする
- 位置情報やバックグラウンド更新の設定を変更して不要な通信を減らす
- 充電を頻繁にしない
- 直射日光に当てない
順に解説します。
必要のないアプリをアンインストールする
iPhoneのストレージ容量に余裕をもたせるために、不要なアップはアンインストール(削除)するようにしましょう。
CPU処理がしやすくなり、、負担が減るため、発熱を抑えることができます。
iPhoneのストレージ容量を圧迫しているアプリを調べる方法は、以下の通りです。
- 設定アプリを開く
- 「一般」を選択
- 「iPhoneストレージ」を選択
アプリはストレージ容量をたくさん使っているものから順に表示されます。
位置情報やバックグラウンド更新の設定を変更して不要な通信を減らす
位置情報やバックグラウンド更新が有効になっていると、アプリを開いていなくてもデータ通信が行われるので、発熱の原因になります。
そのため、定期的にアプリの詳細設定から、位置情報の設定を見直してみましょう。
iPhoneで位置情報の設定を変更する方法は、以下の通りです。
- 設定アプリを開く
- 「プライバシー」を選択
- 「位置情報サービス」をタップ
- 位置情報を使用しているアプリが表示される
各アプリを開くと位置情報の利用状況を確認することができます。
利用状況は以下の4つから選ぶことが可能です。
- 「なし」
- 「次回確認」
- 「このAppの使用中のみ許可」
- 「常に」
アプリや使い方によって適切な設定は変わりますが、多くの場合「このAppの使用中のみ許可」に設定しておけば不自由もなく、使いたい時も困りません。
充電を頻繁にしない
iPhoneを頻繁に充電してしまうとバッテリーの劣化に繋がり、発熱の原因にもなります。
そのため、iPhoneの充電は就寝前や朝の支度中などに行い、頻繁に充電するのは避けましょう。
iOS13以降のiPhoneであれば、「最適化されたバッテリー充電」という機能を使うことで、iPhoneの充電を80%程度で自動的に止めてくれるため、バッテリーの劣化を軽減することが可能です。
「最適化されたバッテリー充電」の設定方法は、以下のとおりです。
- 設定アプリを開く
- 「バッテリー」を選択
- 「バッテリーの状態」をタップ
- 「最適化されたバッテリー充電」をオンにする
なお、iOS13以降にアップデートすると自動的に有効になりますが、念のために確認しておきましょう。
直射日光に当てない
屋外でiPhoneを使うときは直射日光に当てないことを意識すると、発熱の対策になります。
直射日光はとても高温なため、iPhoneを長時間さらしてしまうとすぐに発熱します。
iPhoneの動作温度は0〜35℃が推奨されており、動作温度以上の環境で使用すると「高温注意」の表示が出て使用ができなくなるため注意が必要です。
万が一、「高温注意」が表示されてしまった場合は、iPhoneの電源を切って直射日光の当たらないできるだけ涼しい場所へ移動しましょう。
可能であれば、ケースやカバーを外して扇風機などの風に当てるとより早くiPhoneの熱を冷ますことができます。
iPhoneが熱くなったら要注意!
iPhoneが熱くなる原因や、冷やすための対策方法について解説してきました。
保冷剤や冷蔵庫は食品を冷やすのには手っ取り早くていいですが、iPhoneを同じように扱うのは間違いです。
精密機械は結露に弱いので、故障しないように、取り扱いには注意しましょう。
車にカーナビ代わりで設置することも多いと思いますが、車内は室温が高くなりやすく、直射日光が当たりやすいなどiPhoneにとっては厳しい環境です。
ダッシュボード近くに置きっぱなしにすることはせず、車に乗らない時はカバンに入れて持ち歩くなど、iPhoneの発熱には注意して扱うようにしてください。